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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、妊婦の里帰り出産などを制限する病院が県内でも相次いでいます。そんな中、不安を抱く母親たちを支えようと、あるサービスが生まれました。

先月、政府の緊急事態宣言を受けて、日本産科婦人科学会などは急な里帰り出産を避けるよう妊婦に呼び掛ける文書を公表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、里帰り出産を制限するケースが相次いでいますが、妊婦からは「居住地には頼る人がおらず、里帰りをせざるを得ない」という切実な声が上がっています。

宮城県在住・11月に出産予定の女性「ここではサポートがないため、里帰り出産を希望しているが、現状では受け入れられないと沖縄の病院から断られてしまった。この状況は理解しているけど・・・。」

都内勤務・7月に出産予定の女性「産後のことを考えると沖縄での出産を叶えたいが、飛行機に乗ったりと、移動で感染するリスクを考えると今住んでいる場所で出産した方がいいのかわからない。」

これまで多くの里帰り出産をサポートしてきた那覇市のクリニックでは。

伊波一郎先生「帰省後、必ず2週間は自宅待機して頂いて症状がないことを確認した上で来院する。その間に症状がある場合は帰国者・接触者相談センターが保健所内にありますので、そこの指示に従うような形になっている。」

そんな中、県外では帰省した妊婦が破水して救急搬送されたにも関わらず、帰省して間もなかったことと、医療態勢が整っていなかったことを理由に、複数の病院に受入れを断られたという心配なニュースもありました。

伊波先生「来られる方はなるべく早く帰省していただくか、遅くとも32週(妊娠9か月)までに帰省して頂いて、2週間待機して34週(妊娠9か月)までには来院して頂く。その時期というのは陣痛は来ない。」

そして全国で緊急事態宣言が解除されましたが、立ち合い分娩や面会の制限も今後緩和されるのでしょうか。

伊波先生「解除になったことで市中感染がこれから広まって、第2波が来るだろうと予想があるので、今の体制はしばらくは崩せない。」

新型コロナの影響はこんなところにも。産院などで開催される母親・両親学級も中止が相次ぎ、母親たちは相談や交流の場を失ってしまいました。

この状況下で「孤立」を深めている母親たちを支援しようと、県内の助産師らが立ち上がり、オンラインで産前・産後に関する母親学級を先月末から開催しています。

Ena*さくら助産院・吉澤さなえさん「(オンライン母親学級は)すぐ満席になる状況だったので、これはとても需要があるなと。今ってインターネットだったり、雑誌とか色々情報ってすぐ入ると思うんですけど、やっぱり専門の人が教育をしていくというのがすごく大事。オンライン母親学級を続けています。」

妊娠中の女性たちは、この状況をどんな思いで過ごしているのでしょうか?

妊婦さん「私も主人も転勤族で身内が沖縄にいない。産院での両親学級が中止になったので、初めての子なのに得たい情報、知識が入ってこないところも不安が大きくなる一つでした。」

また、オンライン母親学級では、必要な知識を提供するだけではなく、助産師が妊婦さんたちの心身の健康状態を確認する役割を果たします。

妊婦さん「受講する前は立ち合いできない、サポートも来てもらえない、できないことばかりに目がいっていたんですけど、前向きに出産迎えようかなという気持ちに変化しました。」

妊婦さん「『いつでも頼っていいからね』って言ってくれたのがすごく心強かったです。あと同じお母さんたち、妊婦さんたちも同じ思いなんだとわかって『一人だけじゃない』という気持ちと、みんなで頑張ろうという気持ちになったので、勇気づけられた感じはあります。」

出口が見えないコロナの影響、安心して出産の日を迎え、少しでも穏やかな産後を過ごせるよう、お母さんと赤ちゃんに寄り添ったサポートが必要といえそうです。

Ena*さくら助産院・吉澤さん「私たちも今までは困っていることがあれば家に行ったり、助産院に来てもらったり繋がっていたのが(コロナの影響で)できなくなってきているので、オンラインという方法が一つある。選択肢を増やすという意味でも、すごく可能性を秘めている。」

オンライン母親学級に興味がある方は「うちなー助産師.com」で検索してみてください。