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先週開幕した高校野球の春季大会。優勝の2文字を目指し、選手たちが日々熱戦を繰り広げています。そんな中、今日行われた試合には特別な思いで大会に挑んだ球児たちがいました。

夏の前哨戦と言われる春季大会。大会3日目には去年秋の大会を欠場した沖縄尚学が登場!選手たちは野球のできる喜びを胸に初戦に挑みました。相手は新人中央大会決勝で顔を合わせた首里。

初回から沖縄尚学は首里の1年生ピッチャー金城選手を攻め立てます。フォアボールやヒットで1アウト満塁のチャンスを作ると、5番伊是名選手がピッチャーの足元を抜けるタイムリーヒットで2点を先制。さらに1点を追加した沖縄尚学は2回、そして3回にも追加点を入れ、序盤で5対0とリードし、試合の主導権を握ります。

沖縄尚学のマウンドに上がったのは1年生ながら背番号1を付けるエース、東浜投手。

沖尚・東浜投手「グランドに出たら年とか関係ないと思うので」

その言葉通り、得点圏にランナーを背負っても強気のピッチングで切り抜けます。しかし6回、2本のヒットで2アウトランナー1・3塁のピンチを迎えると、バッターは6番ピッチャー金城選手。甘く入ったカーブを意地の一振りでレフトに運び、ようやく首里が1点を返します。

しかし反撃もここまで。東浜投手は後続をたちきり、9回を投げて1失点。見事完投勝利を挙げました。試合は沖縄尚学が首里を5対1で破っています。

沖尚・東浜投手「(次戦にむけて?)自分たちは自分たちの野球をするだけなんで、一戦一戦大切に、相手を意識せずにがんばっていきたいです。」

沖縄尚学が順当に2回戦に駒を進めたその日、北谷公園野球場では去年の覇者、中部商業 対 南部工業の試合が行われました。

初回に1点を奪った中部商業は2回裏、フォアボールのランナーが2塁へ進むと、2番知念選手がライト線にタイムリーヒット、続く3番宮里選手の連続ヒットでこの回2点を追加。その後も中部商業は自慢の強力打線に足を絡めた攻撃で確実に得点を重ねます。

投げては先発の蔵当投手が、ストレートと切れの良いスライダーを武器に5者連続三振を奪うなど、4人の投手リレーで南部工業打線を0点に封じこめます。

最後はノーアウト2・3塁から4番大城選手、5番島袋選手の連続スクイズが決まり、試合終了。中部商業が南部工業を7対0の8回コールドで破り、連覇へ向けて好発進をきりました。

そして今日行われた試合には特別な思いで大会に挑んだ球児たちがいました。来月北部工業と統合し『名護商工高校』になるため、名護商業として野球をするのはこの大会が最後となります。

名護商・玉城裕士主将「本当に名護商業の最後の大会の初戦で、監督も最後なんで、監督に校歌を歌わせてあげたいです」

『監督に校歌を歌わせてあげたい』。この思いを胸に部員23人が心を1つにして西原高校に挑みました。

この思いが打線に現れます。1対1の同点で迎えた2回、8番比嘉選手が左中間への3ベースヒットでチャンスを作ると、1番キャプテン玉城選手が1・2塁間を破るタイムリーヒットで逆転すると名護商打線が爆発。この回ヒット5本の猛攻で一挙5点を入れて、6対1と西原を突き放します。

しかし、この大量点で逆に気負ったのか、名護商はその後ピッチャー陣が踏ん張れず、じりじりと西原に点差縮められると、7回裏には西原が2アウトランナー2塁から3番に同点タイムリー許し、6対6の同点に追いつかれ、このまま延長戦へ。

延長12回、名護商業は貴重な1点を入れ勝ち越しに成功。これで試合が決まるかと思われましたが、その裏2アウトまで追い込むものの、ランナー2・3塁のピンチを招き、最後はレフトへのサヨナラヒットで名護商業が1点差で敗れました。

「本当は勝ちたかったんですけど負けてしまったので」「とても悔しいです。」

最後の校歌を監督にプレゼントする夢は消えました。それでも、決して試合をあきらめない『名護商野球』をみせてくれたナイン達。夏は新チームで出陣です!