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これから本格化する夏のシーズンに巻き返しを期待していた観光や飲食業にとって、緊急事態宣言の延長はまさに「がけっぷち」に立たされた状況だと言えます。回復のきっかけを見いだせない苦しい状況に業界からは「どうすればいいのか」「もう限界だ」といった悲痛な声が聞かれました。

沖縄ツーリズム産業団体協議会 下地芳郎会長「(宣言延長は)観光産業のみならず沖縄の経済界としては、非常に納得できないという気持ちを強くもっております」

まん延防止措置に移行という県の希望もむなしく緊急事態宣言の再延長への新たな対応に追われたきのう。観光関連業界でつくる団体が宣言延長の撤回を国に求めるよう県に直訴しました。

これ以上さらに厳しい状況に追い込まれればもう耐えきれなくなると憤りをあらわにしました。

緊急事態宣言延長 観光業・飲食業の嘆き

沖縄ツーリズム産業団体協議会 下地芳郎会長「8月22日まで延長と、これは本当にあり得ないと。どうしてそういうことになるんだという強い怒りの気持ちがあります」「もうすでにこの1年半の中で観光業界はある意味崩壊している状態と捉えていいと思う」「これ以上の悪化につながらないように改めて政府にも沖縄の観光の重要性を認識していただいて、そのうえでしっかりした対応をとっていただきたいという思いがある」

本来であればこれから観光のハイシーズンを迎える中での宣言延長。観光客を受け入れるホテルからも落胆の声が。

パームロイヤルNAHA 高倉直久総支配人「予約状況も持ち直してきていましたので、まん延防止措置に移行してからは予約が増えてくるのかなという期待感は正直ありましたね」「いろんな知恵をしぼって、お客様をお迎えして、安心安全に来ていただくことを最優先に考えていたので、政府の意向はなかなか納得いかないという状況」

緊急事態宣言延長 観光業・飲食業の嘆き

こちらのホテルでは、再来週の4連休は満室となるなど、宣言が解除される予定の12日以降の予約は増え始めてきていたのに延長が決まったことで、すでにキャンセルも出始めています。また従業員へのワクチン接種なども進めているほかワクチン接種を済ませている宿泊客にプレゼントを用意するなど安心安全な受け入れ体制を整えながら、7月中での宣言解除を望んでいます。

パームロイヤルNAHA 高倉直久総支配人「8月22日までとなるとほとんど夏休みシーズンが終わってしまいますし、それから取り戻しをするのは時間的には間に合わないと思う」

宣言延長に伴い飲食店には休業や時短が継続されることになりました。

じろう桜店主 島津敦さん「今回の緊急事態(宣言)が11日で終わって、それ以降はまん防になって、お酒も出せるし、短い時間だけど、営業できるつもりでいろいろメニューとか特別なサービスとか、そういうのも考えてた矢先に延長」「もうどうせーっちゅうのと」

緊急事態宣言延長 観光業・飲食業の嘆き

こちらの居酒屋では、県の休業要請を受け入れ4月から休業。今月12日には店を再開させる予定でしたが、宣言の延長により、断念せざるを得なくなったと肩を落とします。

じろう桜店主 島津敦さん「僕ら飲食店、個人営業なんかはもう、本当に死活問題で、貯金崩しながら、嫁さんの貯金も崩しながら、そういう風に生活して、我慢はしています」

営業しなくても、店の維持費などで毎月20万円ほどの出費がかかりそれが重く肩にのしかかっています。なのに頼みの綱の協力金は4月分のものがいまだに支払われていないといいます。

じろう桜店主 島津敦さん「1日でも早く(協力金を)出してほしい、それだけです」

大きな痛みを伴う緊急事態宣言の再延長。各業界に体力の限界が近づいています。