ハンセン病回復者として40年あまりにわたって差別の撤廃などを訴え続けている男性がいます。伊波敏男さんといいます。自身が受けた差別や病気への偏見をもとにコロナ禍の今、「人権」について考えてもらおうとうるま市の高校で授業を行いました。

ハンセン病回復者として40年あまりにわたって差別の撤廃などを訴え続けてきた伊波敏男さん。伊波さんが経験した病気での偏見や人権についてきのう、うるま市で人権の視点から学ぶ平和学習が行われました。

作家・人権教育研究家 伊波敏男さん「私には、生き方の原点が2つあります。一つは生まれ故郷が沖縄であること、もう一つが沖縄で類いまれなハンセン病に感染したことです」

旧石川市が故郷の伊波敏男さんはハンセン病の回復者です。ハンセン病の患者に対して国がとった隔離政策によって誤った知識が広がり、差別や偏見が助長されてしまいました。

この悲劇のもととなった『らい予防法』は25年前に廃止されましたが伊波さんはいまだに偏見が根強く残っているといいます。

ハンセン病と国の過ちに翻弄された伊波さんはおよそ40年にわたり自身の経験を伝えながら、ハンセン病で傷つけられた『尊厳』を取り戻す講演活動を続けています。

ハンセン病回復者の伊波さんが伝えたい事

作家・人権教育研究家 伊波敏男さん「小学生のころ高学年から体に色んな不調が表れ始めました」「手先の近くの感覚があまり感じられなくなる、体中に痛みが走るようになる」

伊波さんは中学2年の5月にハンセン病が発症し、生活が一変しました

「お父さん残念だけどあなたのお子さんは」「らい病にかかってます」

きのう石川高校で行われたオンラインによる「人権の視点から考える平和学習」全学年が参加し伊波さんのことやハンセン病について事前に学習したうえで、この日の授業を迎えました。

授業では伊波さんがハンセン病発症時、本名を変えさせられ愛楽園に隔離収容された話しや、病気に対して世間から偏見の目でみられ子どもたちと離ればなれになった話など当時の苦悩を思い出しながら切々に話しました。

ハンセン病回復者の伊波さんが伝えたい事

作家・人権教育研究家 伊波敏男さん「お父さんのワイシャツのボタン誰がはめてくれるの、ネクタイを誰が締めてくれるの、僕は手が不自由だから、その当時に鏡を見ながらワイシャツのボタンはめたりネクタイ締めるのにおよそ30分位かかったんだよ」

これから離れて生活する息子に「お母さんと一緒に行きなさい」と声をかけるのが精一杯だったと伊波さんは当時を振り返りました。ハンセン病がもたらす偏見や差別を目の当たりした生徒らは真剣な眼差しで聞き入りました

作家・人権教育研究家 伊波敏男さん「自分がコロナの感染をしないために何をするか人に感染させないために何があるか今行動の中に求められている」「しかし大事なことはコロナもハンセン病も今までも色んな感染症が出た時に、この中で一つ言われたことは、常に科学的な根拠にな不安が心の中を占めて差別をしたり偏見を持ったりすることなんです。しかし大事なことは、いろんなことがこれからも起こるよ、起きた時に医学的なワクチンではなく、それぞれの心の中のいわゆる物を科学的にみる正しい情報を自分で解釈する『心のワクチン』を常に持つことが必要だと思います」

石川高校知 念勝美教諭「過去のことを学びながら自分がこれから出会う課題、人権が妨げられる時に自分が出会ったとき、周りの人が出会ったときに、今日学んだことや過去の学んだことが糧になればいいなという思いで」

コロナ禍で差別や風評被害が起きやすくなっている今、伊波さんの心の声を聞いた生徒たち。

生徒「自分は戦争とかの問題で人権を考えることが多かったですけど、病気や障害とかも、そういう人権問題が多くて、そういう視点からも人権問題とか多くの問題を考えるのも大切だと思いました」

生徒「差別って世界にはいっぱいあるんと思うんですけど、今ならコロナは身近ではないですか」「自分の思っていることを言うだけでなく、相手の気持ちを考えるのが大切」

今度は自分たちが伊波さんから託された『心のワクチン』を伝えていきたいと話します。

ハンセン病回復者の伊波さんが伝えたい事

生徒「伊波さんの今までのハンセン病での辛いことや悲しいことがグッと感情に来たので、涙出そうになりました」「(心のワクチンは)心ない言葉で傷つけられた人達に治す薬、ワクチンをみんなで作ってあげて助け合う意味と思います」

生徒「差別は本当に自分も心にささるし(来るし)伊波さんはハンセン病治ったのに差別されることが今でもあり得ないと思うので、自分は少しでも力になれたら、親とか友達に伝えていけたらいいなと思います」