県議会では玉城知事の会食問題をめぐり野党からの厳しい追及が続いていますが、一方で、市町村議会でも玉城県政にとって見過ごせない動きが出ています。

県内4つの市と町で辺野古「促進」を求める意見書が可決されていることがわかりました。これが一体何を意味するのか、緊急リポートです。

緊急リポ 辺野古促進意見書 4市町で可決

『戦後74年間も悩まされ続けてきた。我慢はすでに限界普天間基地の基地被害から解放されるべきである』

先月27日、宜野湾市議会で可決された普天間基地の辺野古移設の「促進」を求める意見書。なかには、辺野古移設が「苦渋の決断の時期」と記述されていました。

辺野古促進の意見書を提出した議員「普天間飛行場の一日も早い危険性除去のため、同飛行場の米軍基地キャンプシュワブ辺野古崎への移設・統合を進めるべきである」

普天間基地の辺野古移設には県も明確に反対を打ち出すなか、大きな波紋を広げました。

賛成の議員「キャンプシュワブへの移転・統合こそが現在、唯一の現実的な解決であり、普天間飛行場の危険性除去・全面返還への最も早い方法なのであります」

反対の議員「選挙によって何度も県民、市民は民意を示してきた。今の政治に求められているのは辺野古を認め恒久的な基地建設を認めることではなく、保守・革新の対立を超え、県民の心をひとつにし、沖縄が置かれた不条理を正していくいくことではないでしょうか」

市議会で賛成・反対の立場から激しい論戦が展開された結果、「賛成」が過半数となり、辺野古「促進」の意見書が可決されたのです。

緊急リポ 辺野古促進意見書 4市町で可決

議論を見守っていた市民は…

傍聴者「宜野湾市民が基地があるということで、とても負担を感じているので当然だと思います。だから(意見書が可決して)良かった」

傍聴者「辺野古に持って行った時に(宜野湾と)同じ状況があるし、辺野古どころか、全県的にそういう被害を被るということ、なんでわからないのかなっていう歯がゆさを感じました」

そこでQABでは県内すべての市町村議会に対し、辺野古促進を求める意見書が提出され、可決されていないかどうかを取材しました。

その結果、今年に入って宜野湾市のほかに八重瀬町、宮古島市、石垣市と4つの市と町で辺野古移設の促進を求める意見書が可決されていたことがわかりました。

緊急リポ 辺野古促進意見書 4市町で可決

こうした市町村議会に見られる辺野古促進の動きについて、早稲田大学の江上名誉教授に分析してもらいました。

記者「この状況はどう受け止めるべきと考えますか?」

早稲田大学・江上能義名誉教授(政治学)「辺野古促進なんてやって喜ぶのは日本政府ですよね。何か裏に意図なり利益があるのかなと。そのためにやっているのかなと思いますし、県民の総意で辺野古『反対』とうたっているのを賛成の表明をしていて県民を割る行為ですよね」

きのう、アメリカに出発する前に辺野古阻止への決意を語った玉城知事。

玉城知事「県民の多くが基地の整理縮小を求め、新しい基地の建設については、特に辺野古に関しては、明確な反対を示しているということが2月の県民投票で示されたということを、前回11月には明らかになっていなかった民意を明確に伝えたいと思います」

去年2月の県民投票では、投票した人の7割が「辺野古ノー」の示し、41市町村すべてで「反対」が多数を占めました。つまり、辺野古促進の意見書は民意とねじれていることになるのです。

その意見書を可決した4つの市と町。宜野湾、石垣、宮古島は県民投票も当初、不参加を表明し、玉城県政と異なる主張をしていました。

記者「県政への影響っていうのは少なからずありそうだと…あるのであればどういう影響があるんだろうなと考えますか」

早稲田大学・江上能義名誉教授(政治学)「県 対 地方議会の対立構図が出てくる。どちらが民意だということになってくる。住民と議会の民意がこれは逆に矛盾していますよね。果たして地方議会は住民の代表になっているのかという疑問も生じる。対外的にも沖縄はバラバラなのかと、じゃあ、勝手に(国と)ケンカしとけばいい、ほっとけというふうに外の人たちは見るよね」

こうした県と4つの議会のねじれ、そして、その向こうにある分断に玉城知事は…

緊急リポ 辺野古促進意見書 4市町で可決

玉城知事「普天間飛行場の辺野古移設の促進を求めるなど、県と異なる部分もありますけれども、県としても外来機の飛来制限や夜間などの航空機騒音の規制措置を厳格に運用するよう求めているところでもありますので、宜野湾市のみなさまの思いを真摯に受け止め、対応してまいりたいというふうに思っております」

早稲田大学・江上能義名誉教授(政治学)「自民党・政府としては、県民がそのうち(辺野古反対を)諦めてくれることを願っていると思う。こういうことがいろいろあったとしても、県民投票で示した辺野古反対の気持ちを強く、自分たちの民意を、自分たちの民主主義のシステムの中でちゃんと表明したわけですから、その民意を諦めずにくじけずに持続できるかと、そういう覚悟があるのかということを試されている」