沖縄本島の東およそ360キロにある南大東島。存続の危機にあった、島の名物を守るため立ち上がった女性がいました。新たな節目を迎える、ドキドキの2日間に密着しました。

沖縄本島から飛行機でおよそ1時間の南大東島。島の面積のおよそ6割をサトウキビ畑が占めています。そんな島に、地元の人たちに愛されるたった1軒のおそば屋さんがあります。

島の小学生「(Q:大東そばってどんなそば?)麺が太くて三枚肉がおいしい」「子どもが生まれたとしたら食べに行かせたい」

Qプラスリポート 大東そば 愛される味 引き継ぐ女性

創業30年の「大東そば」。普通の沖縄そばよりも太く、コシのある麺が特徴です。ところが、店は今年、存続の危機を迎えていました。

8月までは2代目が店を守っていましたが、その女性も80代になり、引退することになったのです。そんな店の窮地に、立ち上がった1人の女性がいました。

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喜友名さん「大東そばの麺が素晴らしい麺だなと気づいた」

喜友名末子さん(60)。元々、島で居酒屋を営んでいましたが、大東そばの灯を絶やしてはいけないと、3代目になることを決意しました。

喜友名さんがほれ込む麺を考案したのが「大東そば」初代店主の伊佐盛和さん(72)です。

伊佐さん「食塩の代わりに(南大東島の)海水を入れ、麺を作りました。色んな人に麺を提供してやってもらったが、彼女が一番熱心で。いいそばをつくってくれるって期待しています」

ところが、リニューアルオープン前日。店では…

喜友名さん「(Q:完成度としては何パーセントくらい?)50%もいってない」

ホームセンターなどもない島で、店のリニューアルに向けた準備は、ほとんど1人。しかも、元々営んでいた居酒屋の経営とかけもちで進めていたのです。

喜友名さん「いつもここ(居酒屋)が終わったら、大東そばの方に毎日夜11時くらいまでいました。掃除から始まって、ペンキ塗りして」

さらに、大東そばの看板を守ろうと一念発起した喜友名さんでしたが、自身が20年間営んできた居酒屋を続けるのか、選択を迫られていました。

喜友名さん「それまで(オープンまで)考える暇もなく『もしかしたらこのお店しばらくお休みするかな』と思ったら、なんかさっきから複雑な気持ちになって。みなさん『どうするの?』『いちごいちえ(居酒屋)は開けるよね?』って言うから、ちょっと涙が出てきた」

島の人たちのため、大東そばのため奮闘する喜友名さんを助けようと、みんなも立ち上がりました。島の人も待ち望む、3代目の大東そば。無事、オープンできるのでしょうか…

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創業30年の大東そば。迎えた、オープン当日。店は、見事に生まれ変わっていました。

喜友名さん「うれしい気持ちもありますが心配です。スムーズにいくかどうか、頑張ります」

少し不安げな喜友名ですが、そこに強力な助っ人が登場しました!沖縄本島の大学に通う娘の可奈子さんです。

可奈子さん「何をしていてもここの心配ばかりして、その話を聞いていたのでオープンの日はどうしても帰らないと思って」

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いよいよ、オープン!開店と同時に、島の人たちがやってきました。

お客さん「大東そばがなくなったら寂しいですよね。もうサポートです。毎日来ますよ」

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初代の伊佐さんが考案した麺に、島で獲れたマグロをいぶして出汁をとったスープ。何度も試作を繰り返し、ここ、南大東島でしか食べることができない、3代目喜友名さんならではの大東そばが誕生しました。

お客さん「(大東そばは)やっぱり宝です。末子さん(喜友名さん)が引き継いでくれるって大変うれしいです」

喜友名さんの決断は、島の名物を救ったのです。

喜友名さん「想像よりパニックしました。完璧じゃなかったですけど、オープンできてよかったです」

可奈子さん「(Q:お母さんの様子は見ていてどうでしたか?)見てない…(笑)忙しすぎて見てないです(笑)時間があるときには帰ってきて手伝いしたいと思います」

喜友名さん「大東そばを任せられたので、まだまだなんですが、麺をダメにしないように私も頑張っていきたいと思います」

3代目の喜友名さん、大東そばとともに大きな一歩を歩み始めました。

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