2018年12月4日 18時50分

Qプラスリポート “非暴力”の歴史を伝える建造物 伊江島「団結道場」を後世に残す

Qプラスリポートです。沖縄戦の激戦地・伊江島は、戦後もアメリカ軍に強制的に土地を奪われた島でもあります。その伊江島で、土地を守ろうと奮闘した人々の抵抗の象徴となった建物がありました。

今から73年前、沖縄戦で激戦地となった伊江島では、住民およそ1500人を含む4700人以上の命が奪われました。しかし、奪われたのは命だけではありませんでした。

戦後、アメリカ軍いわゆる「銃剣とブルドーザー」で島の6割以上の土地を強制的に奪ったのです。そしてその土地に作られたのが、現在の伊江島補助飛行場。

Qプラスリポート “非暴力”の歴史を伝える建造物 伊江島「団結道場」を後世に残す

この場所をにらむように建ち、島民たちがアメリカ軍の強制接収に抵抗した歴史を今に伝える建物があります。「団結道場」。

Qプラスリポート “非暴力”の歴史を伝える建造物 伊江島「団結道場」を後世に残す

「伊江島土地闘争」のリーダーであり、非暴力を訴え「沖縄のガンジー」とも称された阿波根昌鴻さんが「闘いには学習の場が必要」と提案し、1970年に完成しました。道場の壁に書かれている数々の言葉は阿波根さんが大切にしていたものです。

「殺し合いではなく助け合う人間。奪い合いではなく譲り合う人間。騙し合いではなく教えあう人間。そういう人間が平和を作る」

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謝花悦子さん「非暴力というのは暴言・暴力振ったら結局は殺し合い。それでは本当の平和は作れない。『平和の武器は学習』である。勉強して、物事をわからないと、この状況では戦えない」

阿波根さんの秘書だった謝花悦子さん。阿波根さんの思いを受け継ぎ団結道場を管理しています。

謝花さんは戦時中、今帰仁村に疎開し無事でしたが、伊江島で兵士として戦った父親を亡くしました。

謝花さん「(父は)壕を掘って私たちを移して『戦争が終わったら迎えに来るからね』といって帰った翌日殺された。(アメリカ軍が)すぐ上陸。痛ましい思いが、きのう、きょうかのようにある」

戦後、謝花さんを含め生き残った島民は現在のキャンプシュワブである名護市久志に2年以上にわたり収容されました。およそ2年の収容生活を終え戻った故郷・伊江島は、謝花さんが思い描いていたふるさとではありませんでした。

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謝花さん「迎えに来る人は、うちの家族だけではなくて、どの家の迎えの人もいなかった。殺された。人間も殺されて、家も無い。土地も無い。あったのは何か?飛行場があった」

変わり果てたふるさと・伊江島。戦後も島に安らぎはなく、アメリカ軍による土地の強制接収が始まったのです。

農業を営んでいた真謝地区の島民たちは生きるために接収された土地のフェンスをよじ登り、爆撃演習の危険な状況下で畑を耕しました。

しかし、アメリカ軍は侵入した80数人を逮捕。

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家も田畑も奪われた真謝地区の住民の8割は栄養失調となり、死亡する人もいたと言います。

打つ手を無くした島民たちが選んだのは、沖縄本島を歩き、人々に現状を訴えることでした。いわゆる「乞食行進」です。プラカードを持った島民たちは、那覇から糸満、そして国頭とおよそ1年にわたり行進を続けました。

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この行進は多くの共感を得て、沖縄全域を巻き込んだ「島ぐるみ闘争」に発展していきました。

その精神的柱ともなった団結道場も建設から50年近くが経ち、現在、老朽化による改修工事が行われています。

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謝花さん「平和の闘いの学習のシンボルとして、またさらに丈夫な団結道場を作りたい。戦争というのは人災なんです。福島の地震や津波ではないんですよ。人間が起こす戦争であるならば、人間が止めなければいけない。止められるものであると思っています」

島の歴史とともに歩んできた団結道場。これからも島に建ち続け、非暴力の闘いを伝え続けます。

団結道場は来年2月に完成予定です。完成後は伊江島での戦時の写真や資料を展示し、一般公開するということです。

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