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Q+リポート 「レインボーなは宣言」で街はどう変わる

那覇市はおととい、同性愛者や性同一性障害などの、性の多様性を尊重していくことを宣言しました。宣言によって街がどう変わっていくのか。那覇市の期待そして、当事者たちの思いを取材しました。

今年で3回目の開催となった、「ピンクドット沖縄」性同一性障害や同性愛者などの性的少数者・LGBTが、社会的権利や法的な保護などを訴えるイベントで、当事者や支援者が集まりました。

宮城由香共同代表「3年前に撒かれたピンクの種が芽を出して花が咲き始めました。その実りの喜びを本日皆さんと分かち合いたいと思っています。」

ピンクドットは2009年にシンガポールでスタートし、現在は世界各国に広がっています。国内では、おととし日本で初めて那覇市で開催。去年はカナダで同性婚をした県出身者の里帰り結婚式が行われました。

そして、今年のピンクドット沖縄では、LGBTを対象としたウエディングや法律相談などのブースが並んだほか、ステージでは、歌や踊りなどを通し多様な性を認め合う社会にしようというメッセージが発信されました。

松川亨平さん「世の中にはいろいろな人がいます。多様な性のあり方が存在します。姿カタチである外見や、心の在り方は異なっていても、みんな同じ人間であることにかわりはありません。」

那覇市は今回のピンクドット沖縄に向けある準備を進めてきました。全国の自治体で初めて「LGBT支援宣言」を出した大阪市淀川区と同様の宣言をしようと、当事者団体と意見を交わしてきたのです。

Q+リポート 「レインボーなは宣言」で街はどう変わる

那覇市平和交流・男女参画課 上原徳一郎課長「(Q.LGBT支援にあたり心がけていることは?)当事者の方の意見を聞くこと。それと行政からの一方的な押し付けになってはいけない。支援というのは、行政がやってあげると言う風な感じに受け止められるので、人権の問題ですので、支援という言葉を使わないようにしています。当時者の人を特別扱いするのではなくて、配慮すべき点は何か知ることから始まるのかな。」

そして、迎えた宣言の時。

Q+リポート 「レインボーなは宣言」で街はどう変わる

城間那覇市長「人がどのような性を生きるか、また、誰を愛し・愛さないかは、すべての人が幸福に生きるために生まれながらにして持っている権利、すなわち人権であり、誰もがその多様な生き方を尊重されなければなりません。性に関するあらゆる差別や偏見をなくし、誰もが安心して暮らせる都市をめざして、ここに『性の多様性を尊重する都市・なは』を宣言します。」

「性の多様性を尊重する都市・なは」(通称レインボーなは)宣言。レインボーは多様性の象徴。ありのままの自分自身を誇りに思う気持ちを表現するものとされていることから、この名前がつけられました。

法律相談を行うブース出展の宮城桃子さん「こういうことがまだ全国でも2例なので、那覇市が続いたということはびっくりだし、盛り上がり方も全然違うと思います。」

ステージに参加した比屋定篤子さん「自分の家族とか、子どもも含めて一緒に参加したりとか、そういう話も話題にしたりとか、何もタブーはないというか。」

女性カップル「全てのことの一歩になっているきっかけをつくるってことでは素敵な宣言だなと。」

Q+リポート 「レインボーなは宣言」で街はどう変わる

宣言を受けて那覇市のブースには、「歴史的瞬間に立ち会えた」、「那覇市をもっと好きになる」などの応援メッセージが寄せられました。

上原徳一郎課長「今回宣言したことによって、急激に何か変わるということではないと思う。本来はそういうことがなくても、当たり前のように受け入れるような社会が必要かなと思うんですけど、そのために今、ピンクドット沖縄のような、当事者の方々が集まってアピールする場がしばらく必要かなと思います。」

Q+リポート 「レインボーなは宣言」で街はどう変わる

ピンクドット沖縄 共同代表 砂川秀樹さん「行政という公的なところが、LGBTは個人的な問題ではない、ということを示したという意味で私はすごく大きいと思っています。(Q.今後求めるのは?)同性間のパートナーシップが認められるというのは、さらに象徴的で、かつわかりやすくて具体的な問題の解決策となるので、とてもいいことだと思いますし、実現してほしいと思います。」

那覇市は今後、同性間のパートナーシップ制度導入に向け前向きに検討を進めるほか、当事者からの意見が多かった職員研修、子どもたちへの教育、相談窓口の整備を各機関と連携し進めていくということです。