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7月に就航したジェットスター、続いて8月就航のエアアジア。その最大の魅力は…

「安かったからです」「値段が半額違う。今回が(家族6人で往復で)10万ちょっとですかね、今まではその倍」

『Low Cost Carrie』略してLCCと呼ばれるこれらの航空会社は、これまでの常識を覆す価格の安さで、今、日本の航空業界の新たなビジネスモデルになっています。

沖縄の観光には1つの課題がありました。

沖縄県観光政策課・嵩原安信課長「(沖縄への観光客は)リピーター率が多くなっている。今は8割くらい。逆をいえば沖縄に来るお客さんの数が伸び悩んでいるととらえてまして」

運賃の低価格化でその乗客のおよそ3割がはじめて飛行機に乗る人だと言われるLCC。新規市場を開拓したい沖縄にとってこの新たな顧客層は大きな魅力です。

エアアジア・ジャパン 広報・宣伝課 今井久美子さん「実際沖縄への運賃が高くて行けないと言う人が非常に多い。沖縄に行ってみたいと思っていたけどいけなかったお客様に、気軽にたくさん身近に使ってもらえるように頑張っていきたいと思っております」

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安さの秘訣は、小型の航空機に機種を統一することで燃料費やメンテナンス費を軽減したり、大手に比べて座席の幅を狭くし、より多くの顧客を運ぶ、空港滞在時間を短縮し1台の航空機における生産性を高める等があります。

安さの反面、遅延や欠航の多さはビジネスには不向きと言われますが、時間に余裕のある観光客にとってはLCCは新たな喜びを引き出すこともあります。

「(浮いたお金で)お土産とか。シュノーケリングとかできたね」「リゾートホテルに泊まりました、そちらで結構をお金を使いました」

地元への消費拡大も沖縄にとっては大きなメリットです。

一方LCCにとっても、沖縄への就航には大きな特典がついてきます。

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河合キャスター「多くの観光客を見込めることがここ沖縄の最大の魅力ですが、実はLCCにとっては予算の中で多くの割合をしめる空港関係の予算削減につながる要素が、ここ那覇空港にはあるんです」

那覇空港は観光業で沖縄の振興をすすめる目的で、燃料税や着陸料などが他の空港と比べかなり軽減されているのです。

ジェットスター・ジャパン 西尾忠男常務執行役員「これは大変県と国のほうには感謝しておりまして、いまLCCの持っているコストの中で空港コストは25%位を占めている。(空港コストが)安くなった料金を還元してより安い料金を提供する。当然増便もできて、増便するとお客様も増えてターミナルも儲かるし、県も儲かるし、観光地も儲かるということで」

LCC各社は今後も沖縄便の増便を計画しています。LCCは大きな可能性を生みそうですが、河合さん、今後の増便の計画はどうなっているんでしょうか。

河合キャスター「現在、那覇-成田間を3往復しているんですが、ジェットスターは10月に関西間で1往復、そして12月までにさらに増便して計6往復にしたいと発表しています」

河合キャスター「そして10月に那覇関西間に就航予定のピーチアビエーション。沖縄でさらなる路線を考えているようなんです」

ピーチ・アビエーション広報部 百目木直人部長「アジア諸国の人に聞くと、非常に沖縄は人気のエリアになっている。那覇空港を第2の拠点として、アジア諸国の都市に飛行機を飛ばしたいと思っています」

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アジアと隣接する沖縄なら、多くの都市へ就航の可能性がありそうです。ただ課題もあるんですよね。

河合キャスター「その最大の課題がこちらの那覇空港の拡張なんです。およそ100ある国内空港の中で、国内ネットワーク数全国2位に位置する那覇空港。混雑するターミナルや駐機場、そして1本しかない滑走路。那覇空港は人や航空機の受け入れが供給過多の状態になっています」

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ANAの貨物ターミナルに建設中のLCC専用ターミナル。エアアジアとピーチが10月から利用予定ですが、利用者の利便性などを考えると、これはあくまで暫定的な措置で、空港整備は近々の課題です。(貨物ターミナルへの立ち入りに制限があるため、利用者は国内線から専用バスで移動しなければならない)

ジェットスター・ジャパン 西尾忠男常務執行役員「お客様がその気になっている間に、ハード面をある程度整備をしていただくともっと増便もできます。ピンポイントで入りたい時間に入れるようにならないと、ここの時間帯は停められないから残念だねっていうところは今後出てくる可能性もあります」

また那覇空港の税制なども優遇も実は今年度と来年度が期限。県は、その期限の延長や空港整備にかかる予算について、国と重要な交渉の時期をむかえています。

沖縄県企画部・下地明和企画振興統括官「(那覇空港を)よく沖縄振興の心臓部だと知事はおっしゃいますけど、そのキャパシティーが沖縄経済を決める。空港整備が沖縄振興の足かせにならないようにやってもらいたい」

今年の夏も多くの思い出が生まれた沖縄。この笑顔が増えるよう、沖縄観光は勝負の時期を向かえています。

国内そしてアジアからも注目される観光地になった沖縄ですが、受け入れる空港の整備が追いついていない状態なんですね。沖縄観光に注目を集まっているこの絶好のタイミングに早急な整備を進めなければ、大きなチャンスを逃がしてしまうような気がします。