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来月行われる知事選まできょうでちょうど1カ月。政権与党の民主党と第3極は結局、候補者の擁立を断念し、知事選は現職の仲井真知事と前宜野湾市長の伊波洋一さんの事実上の一騎打ちとなりそうです。両陣営のこれまでの取り組み、そして、数万の組織票を持つ団体のこれまでとは違う動きについて岸本記者の報告です。

「宜保晴毅新市長〜当選!バンザーイ!」今月10日に行われた豊見城市長選。自民・公明が推薦した宜保さんが、社民・社大・共産が推薦した大城勝永さんを破り初当選。政党の支援は、来月行われる知事選と全く同じ構図でした。

自民党県連翁長政俊幹事長「この勝利は間違いなく11月の知事選につながっていく選挙だと思ってますので」記者「この流れを自公としてはどういう風にいかしてどういう戦略で知事選を戦おうとしているのか?」

自民党県連翁長政俊幹事長「自公体制の中で無党派層にも食い込んでいくという政策を作りアピールしていけば、間違いなく4年間の実績も含めて我が方に多くの有権者の支援が頂けると思っています。」

4年前の知事選。仲井真知事は34万7000票を獲得しましたが、去年の政権交代により今回は国政与党とのパイプを持たない立場での闘いです。そのため、このような自身の生い立ちをまとめたマンガの自伝も制作し、無党派層の票を取り込みに力を入れています

普天間基地の移設問題については、移設容認から県民の間で強まる「県内移設反対」の声を受け、スタンスを変えました。

仲井真知事「私は県内は事実上無理だと言っている。そして県外といってるので」「県内の他の場所という選択肢は今頭にないですよ」

一方、今月18日に、宜野湾市長を辞任した伊波洋一さん。

伊波洋一さん「長い間、皆様にはお世話になりましたが、私は普天間飛行場問題の解決と県民の暮らしを守る県政の実現・並びに飛躍できる新しい県政への挑戦に向けて頑張りますので、よろしくお願い致します」

普天間の県内移設反対を前面に掲げる伊波さんは宜野湾を含む中部では、高い知名度を誇りますが、本島北部や南部は、まだこれからの状態。この日は名護市役所を訪れ、稲嶺市長に選挙戦での協力を要請しました。

稲嶺名護市長「これからの闘いも一緒にやっていけると思います。」そして辺野古では、基地建設に反対して座り込む人達に誓いを立てました。

伊波洋一さん「辺野古のみなさんにも沖縄にとっても仲間同士で分断されている状況を終わらせて、もう沖縄は一つになりつつありますけども」「(県内移設を)断念させる知事選にしていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します!」

伊波さんは仲井真知事をこう厳しく批判しています。

伊波洋一さん「仲井真さんが何を考えていらっしゃるか分からない」「率直に申し上げて、ある時期までは(仲井真知事は)普天間基地の県内移設を推進していたと思うんですが、新政権になってですねー」「仲井真県政の方向が違っているのか、それとも元のままなのかということが分からない」

仲井真知事の基地政策の転換を、「選挙戦略」と見ている伊波さん。知事はこう応酬します。

仲井真知事「この混乱の原因は」「民主党が原因でこういう難しい状況にしたり、またそれでいながら民主党政権はですよ、現実的に今の日米共同声明に落ち着いている訳ですよね」「何か私があいまいになったとか(伊波さんが)言ったとすれば全く当たらないのではないかと思う」

2人の舌戦はエスカレートする一方ですが、大きな組織票を持つ団体は、独自の動きを見せています。

「業界団体の経済合理性という基本原則に立って何が最善かというそういう風な判断基準が一番ですから」6万8000人の会員数を誇る県建設業協会は、4年前は仲井真さんを推薦しましたが、今回は組織としてどの候補も推さないことを決定。仲井真陣営にとっては大きなマイナスです。「有志の方々がそれぞれ志を一つに出来るという思いでそれぞれ集まって、独自の行動をとられるという風にご理解下さい」

また、民主党の有力な支持母体である「連合」の地元組織「連合沖縄」は、今回、民主党が、独自候補の擁立を断念したため、伊波さんを支援しますが、民主党への配慮から、推薦はせず。

連合沖縄仲村信正会長「連合沖縄としての主体的な判断でやったということです」131354〜04「選挙に対する取り組みの強弱は、それぞれ同じじゃないと思うしそれぞれの構成組織も配慮しながらということだから」

4万の組織票の動向は不透明です。自民・公明の組織票+無党派層の票で2期目を狙う仲井真知事に対し基地問題に対する率直な訴えで県民の気持ちを掴みたい伊波洋一さん。2人の争いは今後、さらに激しさを増しそうです。

政権交代によって、今回の知事選では様々な組織の票の流れが変わりそうですね〜  そうですね。自民党本部もおととい、仲井真さんを正式には推薦せず、沖縄県連が独自で推薦するという形になりました。

また、伊波さんも労働組合を全て束ねることは難しい状況で、選挙戦は、文字通り、「1票」を奪い合う激戦となりそうです。