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先週、読谷村に住む彫刻家・金城実さんのもとを兵庫県の朝鮮学校に通う生徒たちが訪れ、朝鮮人の歴史を学ぶとともに金城さんの彫刻家としての生き方に触れました。

この日、読谷村にある金城実さんのアトリエを訪れたのは、兵庫県の神戸朝鮮高級学校に通う40人ほどの生徒たち。修学旅行の一環として行われた平和学習です。

朝鮮学校の生徒たちが金城実さんから学ぶ

彫刻家金城実さん「愛知のトリエンナーレで朝鮮人の慰安婦の彫刻を飾っているというので」「日本文化を土足で踏みにじるものだと言ったアホがおるね」「それに頭にきてね、よし俺がケンカ買うと」

金城さんが語ったのは4年前、愛知県で開催された国際芸術祭で慰安婦を象徴する少女の像の展示が中止になった出来事。当時、金城さんは憲法で保証されているはずの「表現の自由」が守られていないとして抗議の意思を込めて元慰安婦の像をつくりました。

朝鮮学校の生徒たちが金城実さんから学ぶ

彫刻家金城実さん「単なる思い付きではなく潜在的にも私の頭の中には朝鮮の悲劇と沖縄の悲劇がダブってくるもの共通点があるなと。なぜ慰安婦像を作ったのか。慰安婦像を作らなければ収まらなかった。最初に慰安婦像を作った芸術家の心情を想像してみてほしい」

作品を通して反戦平和の思いを伝えている金城さん。戦後、本土復帰を果たすまでアメリカの施政権下に置かれ、苦難を辿った沖縄の歴史を生徒たちに紹介しました。

その後、沖縄戦で犠牲になった朝鮮人や終戦直後にスパイ容疑をかけられて惨殺された一家を追悼する恨之碑(はんのひ)を見学。

朝鮮学校の生徒たちが金城実さんから学ぶ

彫刻家金城実さん「お母さんが自分の息子の足を引っ張って」「これは処刑台です」「これから準殺されていく」「恥じることはないのになぜ処刑台に連行されていくかということに対して、人間の尊厳誇りを失わずに処刑台に進んでいく青年の魂を描きたかった」

沖縄で触れた歴史を踏まえ、誇りを持って生きていく大切さを学んでいました。

生徒「自分の朝鮮人の先祖たちが本当に強い心を持って日本の社会を生きてきたんだなと感じた」

生徒「社会から抑圧される側の人間としての怒りとか共感とか」「その中でも希望を見出すことがすごく大事で自分に誇りを持っていきたいなって強く感じた」

朝鮮学校の生徒たちが金城実さんから学ぶ

彫刻家金城実さん「在日と在沖お互いの悲惨な歴史を共有できたこと伝えることができた」「あとは彼らが考えてくれるだろうと(期待している)」