ここからは注目ビズ、日本ではまだあまり馴染みがない「チップ」海外旅行に行くとチップが必要な国では、結構計算が大変で慌てる事がありますよね。実はいま新たな形の「チップ」が全国の飲食店で注目され始めていて、県内でも徐々に広がりを見せつつあります。
恩納村で5年前にオープンしたレストラン牛肉・魚のフライ・ガーリックシュリンプなどを使ったオリジナルの大きなタコスが名物です。昼時になると地元の人や国内外の観光客がここにしかないメニューを求めて、途切れることなく訪れます。


連日休む間もなく働く従業員のために、およそ2か月まえからこの店が導入したもの、それが「チップ」です。
モバイルオーダーでの会計時に食事した料金の最大25%までをチップとして追加できるというもので、払うかどうかの選択も客自身が決めることができます。

海外ではもともと従業員の賃金が価格に反映されないことが多く、サービスの良し悪しをお客がはかる事で従業員の収入になります。これが日本でも取り入れられるようになった背景には、チップ文化に慣れたインバンドの増加や飲食店従業員の待遇改善があります。
厚生労働省がことし3月に発表した去年の労働者の賃金についての統計によると、16の産業別で「宿泊業・飲食サービス業」が最も低くなっており、業界ではスタッフの給与面が大きな課題のひとつになっていることが分かります。

「チップ」の機能を取り入れたモバイルオーダーを開発・提供している企業「ダイ二―」によると、8月5日時点で全国の飲食店900店舗が導入しています。贈られたチップの額が最も多いのが沖縄だということです。

餃子を中心とした料理を提供し、老若男女に親しまれている那覇市の居酒屋です。心を込めた接客を大切にしているといいます。ここではこれまでになかった新たな「チップ」が導入されていました。
その名も「推しエール」です。モバイルオーダーのメニューから対応が良かった・頑張っていると思った従業員を選択してチップとメッセージをおくることができます。

メッセージがコミュニケーションのきっかけにもなり、接客が評価してもらえるという点でやる気と働く意欲に繋がっているということです。

飲食業界に「チップ」が新たな風を吹かせるのか、注目です。
「推しエール」を導入したお店によると「お金を稼ぐ」という感覚よりもより、従業員とお客との距離を縮めてサービスの向上に繋げたいという思いがあるそうです。餃子、食べたくなりました。