著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

ここからは注目ビズ、日本ではまだあまり馴染みがない「チップ」海外旅行に行くとチップが必要な国では、結構計算が大変で慌てる事がありますよね。実はいま新たな形の「チップ」が全国の飲食店で注目され始めていて、県内でも徐々に広がりを見せつつあります。

恩納村で5年前にオープンしたレストラン牛肉・魚のフライ・ガーリックシュリンプなどを使ったオリジナルの大きなタコスが名物です。昼時になると地元の人や国内外の観光客がここにしかないメニューを求めて、途切れることなく訪れます。

利用客「めっちゃおいしかったです」「めちゃめちゃおいしかった」
飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー
利用客「とてもユニークで、しかもとても大きい。もっと小さいタコスを想像していたのですが、ここのタコスはとても大きくて、とても美味しいです」

連日休む間もなく働く従業員のために、およそ2か月まえからこの店が導入したもの、それが「チップ」です。

Blue Entrance Kitchenメグさん「1か月目は24万円くらい、2か月目は21万円くらい(チップを)いただいております」

モバイルオーダーでの会計時に食事した料金の最大25%までをチップとして追加できるというもので、払うかどうかの選択も客自身が決めることができます。

飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー
利用客「海外行く時の経験にもなるし、いいと思う」「(チップの金額を)選べるのはお客さん側からしても、気持ちとかをお店に対して伝えやすいと思います」
利用客「私が育った場所ではチップはすごく一般的だったんです。でも私はチップが好きじゃないんです」

海外ではもともと従業員の賃金が価格に反映されないことが多く、サービスの良し悪しをお客がはかる事で従業員の収入になります。これが日本でも取り入れられるようになった背景には、チップ文化に慣れたインバンドの増加や飲食店従業員の待遇改善があります。

厚生労働省がことし3月に発表した去年の労働者の賃金についての統計によると、16の産業別で「宿泊業・飲食サービス業」が最も低くなっており、業界ではスタッフの給与面が大きな課題のひとつになっていることが分かります。

飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー
ダイニー プロダクトマネージャー大倉泰平さん「飲食業界の収益性の部分が他の業種に比べて相対的に低いですとか、昨今の物価高だったりとか、人件費の高騰だったりで、そういった部分がさらに圧迫されていると我々としては考えていて、そういった背景をふまえて業界の収益性向上だったりとか、給与とかの労働環境改善というところに対してひとつの解決策になればと思い、チップ機能を考えました」

「チップ」の機能を取り入れたモバイルオーダーを開発・提供している企業「ダイ二―」によると、8月5日時点で全国の飲食店900店舗が導入しています。贈られたチップの額が最も多いのが沖縄だということです。

ダイニー プロダクトマネージャー大倉泰平さん「日本のなかでもインバウンドですとか、米軍基地で働かれていたり、その関係者の方が他の都道府県に比べて比較的多いという土壌があると思いますので、そういった部分でも欧米から始まった文化であるチップ機能はなじみやすいというか親和性があると思う」
Blue Entrance Kitchenメグさん「チップを使って賄いをおいしいもの買ったりとか、みんなで飲み会を開催しているので、いただけて福利厚生として使わせていただいております」「スタッフ全員喜んでます」
飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー

餃子を中心とした料理を提供し、老若男女に親しまれている那覇市の居酒屋です。心を込めた接客を大切にしているといいます。ここではこれまでになかった新たな「チップ」が導入されていました。

濱元晋一郎記者「こちらの店舗のモバイルオーダーでは料理やお酒だけでなく、従業員を選択できるページがあります」

その名も「推しエール」です。モバイルオーダーのメニューから対応が良かった・頑張っていると思った従業員を選択してチップとメッセージをおくることができます。

飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー
琉球餃子マニア あきらさん「やりがいに繋がりますし、(スタッフが)積極的にお客さんとコミュニケーションをとるようになるのでいいシステムだと思います」

メッセージがコミュニケーションのきっかけにもなり、接客が評価してもらえるという点でやる気と働く意欲に繋がっているということです。

琉球餃子マニア ななこさん「お客さまとの距離が近くなった気がしますね。推しエールをみて写真でななこちゃんっていうんだねと言ってもらえたりしたので」「(もらった推しエールで)靴を買いました」
飲食店活性化の一手となるか 新たな形の「チップ」ビジネスキャッチー
琉球餃子マニア まいさん「2回(これまでに推しエールをもらった)」「(もらえたら)うれしいのでモチベーションになります」

飲食業界に「チップ」が新たな風を吹かせるのか、注目です。

「推しエール」を導入したお店によると「お金を稼ぐ」という感覚よりもより、従業員とお客との距離を縮めてサービスの向上に繋げたいという思いがあるそうです。餃子、食べたくなりました。