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6年前にスタートした久高島での山村留学。第一期生が今年、成人式をむかえました。先週金曜日に今年度の修了式にあわせ、一期生の成人式も企画されました。6年ぶりとなった留学生たちとの再会、彼らを祝福しようと島の方々も大勢集まりました。それぞれの今も紹介します。

南城市あざま港から船で20分、人口約300人の島、久高島。自然や独自の文化が今も残る神の島として知られていて、観光客が多く訪れる一方、過疎化がすすんでいるこの島で、あらたな試みがはじまりました。島の外からこどもたちを招き入れる山村留学です。

中には不登校などで心を閉ざし、悩んだ末にここに来た子どもたちもいました。しかし、島のひとや自然のあたたかさを感じながらの生活の中で、留学生たちはすこしずつ自分の夢をみつけることができるようになりました。

毎年、3月には学校の卒業式・修了式と留学センターの修了式が行われます。自分の子や孫のように接してきた島のおじいちゃんおばあちゃんも詰めかけ、留学生ひとりひとりの一年の成長をみとどけます。

坂井里穂さん「逃げないでたちむかうことができて、ひとつひとつ壁を乗り越えられてよかったです」

留学生だけでなくその家族をも包み込む、島ぐるみのあたたかい支援は今年で6年がたち、一期生のメンバーは今年成人を迎えました。

坂本清治さん「きょう、成人のお祝いをここで祝っていただけるということで、一期生が14人きています」

金城諒くん「勉強では大学を、野球では甲子園をめざしてがんばりたいです」

一期生の卒業式夢を語ってくれた金城諒くんは今、名桜大学に通い野球を続けています。那覇市出身の諒くんは中学1年生のときに不登校になり、中学3年生の4月から久高島の留学センターを訪ねました。そこでの生活は彼をどう変えたのでしょうか・・・。

金城諒くん「久高にいって、人の気持ちを思いやる気持ちを学んだ気がします。毎年正月に時間をみつけて久高にいって、また今年もがんばろうみたいな、初心にもどれる。原点みたいな感じです」

久高で夢をみつけ、高校、そして大学と、まわりのひとたちにも溶け込んで充実した生活を送っています。いまの夢は、教師になること。そして野球ではレギュラーを目指し頑張っています

金城諒くん「メンバーに入るか入らないかの瀬戸際なので、ファンの皆様の応援よろしくお願いします」

鹿嶋岳くん「教育学部で先生をめざしています。いつか久高で恩返しができたらと思います」

坂本龍郎くん「いつか久高にいただいた恩を返せる仕事ができればと思っています」

坂本清治さん「6期生が舞台に立って、20歳の子たちがその次に立って、その存在感にびっくりしました。強さを感じました。こんなに人と接することが、自分の言葉で伝えることができるんだと、とてもうれしかったです」

留学生を受け入れるにあたり、子どもたちを本当に良い方向へ導くことができるのか・・・。坂本さんも不安を持ちながらの6年間、しかし確実な成果が感じられた瞬間でした。

島の人「すばらしいですね。留学センターがこんなに繁栄していることを喜んでいます」

夜行われた今期最後のミーティング。一期生はそれぞれが自分の体験を胸に後輩たちに言葉を贈りました。

「卒業しても久高のことを忘れないでください」「がんばってください」

この6年間で巣立ったのは57人。大学で夢に向かって頑張っている人や4月から就職が決まり、電車の運転手やフランス料理のシェフを目指す人、それぞれ自分たちの今を大切に生きています。沖縄の小さな久高島から巣立った彼らの可能性は全国、そして世界へと広がります。

来月には7期目となる久高の留学生がやってきます。