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普天間基地の移設問題を最大の争点とした県知事選挙がきょう告示され、与野党の事実上の一騎打ちとなりました。17日間の超短期決戦に両陣営、早くも激しい選挙戦を展開しています。

任期満了に伴う知事選挙に立候補したのは、野党統一候補でそうぞうが支持する前の参議院議員の糸数慶子さんと、政治団体琉球独立党党首の屋良朝助さん、それに稲嶺県政の継承を訴える与党推薦の前の県商工会議所連合会会長の仲井真弘多さんのいずれも新人3人です。

糸数慶子候補「知事選に勝ち抜いてぜひとも沖縄から日本の政治を変えて行きたい。基地は要らない」

糸数さんは新基地建設反対を鮮明に打ち出し、名護市辺野古などを遊説して支持を訴えました。

仲井真弘多候補「沖縄の産業をすべからく大応援して失業のない沖縄を目指したい」

仲井真さんは自民、公明、経済界の支持を受け、経済問題の解決を前面に打ち出し、支持を訴えています。

また、屋良さんは独自の選挙戦を繰り広げています。知事選は今月19日に投票、即日開票され、県政の舵取り役が誕生します。

ではここらは記者解説でお伝えします。金城さん、予定通り糸数さんと仲井真さんの事実上の一騎打ちとなりました。第一声はいとかずさんが基地問題を取り上げ、仲井真さんは経済振興と分かれましたね。

今回の選挙の最大の争点は普天間基地の移設問題と失業率問題です。普天間問題では糸数さん、仲井真さんともV字案には反対です。しかし、仲井真さんは県内移設を容認する立場、糸数さんは反対する立場、全然違うわけです。稲嶺県政も辺野古の人たちも新基地建設にノーという中、仲井真さんは県内移設をやむなく受け入れるとしたら、どういう条件なのかを県民に問うべきではないでしょうか。

また、糸数さんについても協議会に参加して反対を表明すると言っていますが、ではその後の解決策はといえば、具体的には示していません。糸数さんは野党に加え、そうぞうまで幅広い支持を得ていますが、基地問題の政策のすりあわせは必ずしも十分とはいえません。

今回の選挙結果は、日米再編全体の行方に影響を及ぼすと言っても過言ではないと思いますが。

仲井真さん陣営には選挙前、自民党の中川幹事長や高市沖縄担当大臣、政府の閣僚らがてこ入れに入りました。糸数さん陣営には民主党の小沢代表や社民党の福島党首ら野党の幹部クラスが応援に入っています。つまり、政府にとっては沖縄の知事選は米軍再編はもちろん、もし選挙に負ければ日本の安全保障をリードする安倍政権にとって最初のつまずきにもなりかねないとの危惧もあります。一方、野党特に民主党にとっては、沖縄の知事選に勝って来年の参議院選挙にはずみをつけたいとの考えもあります。そういう意味からも全国的に注目されている選挙だといえます。

しかし、候補者の政策が具体的でないということや、有権者の盛り上がりもまだまだです。

直前に行われた豊見城市長選挙は投票率が50%台に落ち込みました。県知事選はじめこのところの選挙は軒並み投票率が下がっています。今回の知事選は、新たな基地建設を受け入れるのか、受け入れないのか、そこが県民に突きつけられているわけですから、有権者も無関心ではなく、候補者の政策をとことん比較検討して投票の判断材料にすべきではないでしょうか。