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Q+リポート “音楽”で社会とのつながりを

先週、沖縄市で行われたある音楽祭。この舞台に立つのは、障害のある人々です。この音楽祭には、たとえ障害があっても社会とのつながりを持ち、できることはたくさんあるということを伝えたいという、ある男性の思いが込められていました

先週土曜日、コザ音市場で行われた音楽祭。舞台に立って歌や演奏を披露するのは、身体や精神などに障害のある人々です

さらに、この音楽祭は会場入り口での受付けや記録用の写真撮影、司会進行、また聴覚障害者用の字幕の表示作業なども障害のある人が行っていて、障害者が主体となって作り上げています。

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この音楽祭を立ち上げた、我如古盛健さん(60)。30代で、進行性の沖縄型神経原性筋委縮症を患いました。

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我如古盛健さん「自分が障害を持って、僕も1年間人の前に出られなくなった。その時に自分が思ったことは、自分ができることは何かなと、僕は歌と三線だった」

病気発症後、我如古さんはケントミファミリーというグループで福祉祭りや施設を訪問し演奏してきました。社会とのつながりを音楽を通じて実感したといいます

我如古さん「自分が音楽でこうして社会参加し、おかげ様で人の支えによってできましたので、これを自分だけではなく、他の方にも参加してもらいたいということから(音楽祭が)始まった」

たとえ障害があっても、自信を持って社会に出てほしいという思いから始まった音楽祭。7回目を迎える今回は、23組およそ80人が参加。

中には、特殊な機器を使いながら三線を演奏する人も。

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こちらの2人は、これまで心の病などで大きな舞台に出ることを控えていましたが、今回意を決して参加を決めました。

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神響・要守良さん「言いたくなかった過去っていうものを引きずっているみたいで、そういう面では晴れ晴れとしています」

神響・久高真澄さん「またこういった機会があったらどんどん出ていって、みなさんに歌を歌わせていただきたいなと思いました」

そして、歌うことが自信となっている人も。

川井田千英子さん「誰かと会話したりとか、喋るとなると、やっぱり緊張して、吃音とかが出やすくて」

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それでも、舞台では…。歌っている時はリラックスでき、吃音の症状は出ないという川井田さん。音楽がリハビリになっているといいます。

それぞれが、自らの障害と向き合いながら取り組んだ練習の成果を披露した音楽祭。会場は温かな雰囲気に包まれていました

参加者・岸本桜さん「とても幸せな気分でした。また出たいです」

観客「また自分たちも頑張らなきゃなという、そういう時間をいただきました」「素晴らしいと思いました。感動しました」

会場に響く音楽は、舞台に立つ人の自信へとつながり、聴いている人の心に響いていました。

その様子を我如古さんは感慨深く見つめていました。

我如古さん「日ごろ、なかなか社会にも出てこられなかった人たちが音楽を通して社会参加という、この音楽祭の目的があるんですけど。まさにそれだな、音楽の力すごいと。これを応援する人からパワーをもらって、さらに前に向っていけるんじゃないか」

最後は、我如古さんも舞台に上がり、合唱です。

我如古さん「愛音楽音楽祭をやって良かったと、一番これが大きいです。今後とも続けていきたいと思います」

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