今月20日から行われた自衛隊とアメリカ軍の実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」きょう、キャンプハンセンで終了式が行われました。
式典では「地元の理解」を日米の指揮官が強調する場面も、県内外の訓練の違いも含めて、改めて振り返ります。
陸上自衛隊 鳥海西部方面総監「西の守りは日本の守り。心に刻み、今日も明日も諸官らとともに我が国を守り抜くことをここに誓う」
きょう、訓練の閉幕式でこう強調した、九州・沖縄方面の陸上自衛隊を指揮する鳥海陸将。県内では、宮古島へのアメリカ軍の本格的な展開が注目された今回のレゾリュート・ドラゴン、沖縄県と九州各県では、自衛隊や米軍の活動状況で特徴が分かれました。
きのう、宮古島に初めて自衛隊のオスプレイが飛来した訓練でも、念頭に置かれたのは患者の輸送。駐屯地内で日米が設置するのも、災害時を念頭にした救護所。地震や津波が起きた時に民間人を治療する訓練を報道陣に公開しました。
一方、九州地区では戦闘を念頭にした訓練を実施。大分県の日出生台演習場では、共同戦闘射撃訓練として、敵の侵攻に対処する訓練を行いました。
南西諸島でも鹿児島県側の離島では、戦闘を想定した訓練も行われています。奄美大島では、民間の港には自衛隊の船が入り、ミサイル車両や弾薬の積み下ろしなどを行っています。
そうした訓練の終了を迎えた、今日のキャンプ・ハンセン。日米の指揮官は「地元の理解」を強調していました。
陸上自衛隊・鳥海西部方面総監「本訓練が自分たちの努力のみならず、九州、薩南諸島、沖縄、先島諸島の地元自治体など関係各位の方々、住民の方々のご理解・協力により実現できたことを忘れてはならない」
第3海兵遠征軍・ターナー司令官「軍全体だけでなく、地方自治体や地域住民との協力が、即応態勢を維持し続けるために非常に重要だ」
会見終了後、アメリカ海兵隊は艦船を攻撃するミサイルと機関砲や小型ミサイルでドローンなどに対処する新型の武器システムを報道陣に公開。今月、沖縄の海兵隊に正式配備を公表したばかりの新兵器です。
高市総理「全長約1,200キロメートルにわたります多数の島嶼が位置する南西地域というのは、正に我が国防衛の最前線」
6月23日の慰霊の日、式典で沖縄を訪れた高市総理はこう強調し、那覇市の陸自15旅団の師団への格上げなど強化を打ち出しました。
地元の民意を慎重に見極めながら、南西諸島での部隊増強を進める政府。今後の動向に、注視が必要です。
記者解説
ここからは取材した塚崎記者です。まず、「レゾリュート・ドラゴン」、英語で「不屈の龍」という意味ですが、今回の訓練の概要を振り返ります。
九州・沖縄地区の各地で行われていましたが、鹿児島より以北の県では、戦闘を念頭に置いたものということでしたが、沖縄では防災を念頭に置いたものが中心でした。この違いはどこから来るものなのでしょうか。
塚崎記者「はい。やはり、地元住民や首長の反応も影響していると考えられます。沖縄では先島地域も含めて、自衛隊とアメリカ軍では住民の受け止め方も異なる状況があります。先月の別の訓練から本格的にアメリカ軍が入るようになった宮古島もそうですが、住民もメリットを感じやすい、災害や住民避難など、念頭にした訓練を端緒にしているとみられます」
「また、去年9月のレゾリュートドラゴンでは、与那国町でアメリカ軍のロケット砲を持ち込んだ訓練も計画されましたが、取りやめられました。直前の町長選挙で、アメリカ軍の訓練に慎重な上地現町長が当選したことも、影響していそうです。『国防は国の専権事項』とよく言われますが、国も住民や首長の意思を、全く無視して安全保障政策を進めることは難しいことを示す事例と言えます」
きょうの記者会見で小泉防衛大臣は共同訓練について「沖縄県民を含む国民の皆様に一つひとつ丁寧な説明を積み重ねていくことが重要」と述べています。今年は9月に県知事選挙もありますが、政府が打ち出す安全保障政策を自治体や住民がどのようにとらえ、意思を示していくか改めて問われそうです。ここまで塚崎記者でした。
