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映画で島の人たちを元気に!車の中で映画を鑑賞するドライブインシアターが先週末、宮古島で開催されました。初めての試みとあって成功に向けたくさんの人が奔走しました。

先週土曜日の夕方、宮古島にあるJTAドームの駐車場に続々と車がやってきました。何が行われたのかというと?

「今日この日を楽しみにしていた方、パッシングお願いします!」「わーーー!」

車の中から映画を楽しめるドライブインシアターだったのです。ドライブインシアターは屋外に設置された巨大なスクリーンに映し出される映画やライブを鑑賞するもので90年程前にアメリカで生まれたものです。

映画を通して宮古島を元気に!

車というプライベートな空間を確保できることからコロナ禍でも安心して楽しめるツールとして期待が寄せられていて宮古島では初めての試みとなりました。決して充実しているとは言えない離島の娯楽、宮古島では島に1つしかない映画館が生活に彩りを加えてくれてます。

日本最南端の映画館よしもと南の島パ二パ二シネマ。

16年前にパ二パ二シネマの前身となる宮古国映館をリニューアルする形でシネマパニック宮古島として開館しました。

下地史子さん「子供たちとか大人もそうなんですけど、小さい頃から映画に親しんできた年配の方達とかに映画を届けたいという思いからスタートしたという感じですかね」

経営は順調に続くと思いきや、6年前には集客の落ち込みに加えてデジタル専用のプロジェクターや最新機器の導入に多額の資金が必要になり運営する事が難しくなってしまいます。

下地史子さん「やりたい映画デジタルじゃないと出せないという形で、機材がフィルムしかない時にはお客さんもどんどん少なくなってきて提供する映画も無いっていう状況で経営難になって」

募金活動で運営を続ける道を模索したものの思うようにはいきませんでした。そんな時日本最南端の映画館を残したいという思いが通じ今のよしもと南の島パ二パ二シネマとして生まれ変わりました。

映画を通して宮古島を元気に!

ただ今年はコロナの影響で休業を余儀なくされたうえ7か月前には館長で夫の昌伸さんが他界してしまいました。

下地史子さん「映画館どうするかという話は決めて行こうと話し合ってたんですね。ただそれもかなわなくて亡くなったので。とりあえずそのやり残したことを私がどうにかしようと思って」

映画館を残したいという昌伸さんの遺志を受け継ぎ、史子さんがオーナーとして映画館を引っ張っています。

下地史子さん「映画館開けてくれてありがとうという声を貰うとすごい意義があったんだなと、うちの人がやってきた事っていうのをみんなが認めてくれて、それを終わらす事は出来ないという思いは出てきました」

映画を通して宮古島を元気に!

お客さん「長いこと休館していて島に唯一の映画館だったので無くなるとちょっと寂しい思いがあったんですけど、館長が今回新たに復活するっていう事でずっとこの場所にあったので私がちっちゃい時から、それが大人になって結婚して子供と一緒に観に来れるというのはすごくうれしいと感じます」

ポップコーンを運ぶこの人!松井史江さん「なでしこのトレーナを10年ぐらいやってて2年前にこちらに引っ越してきて」

女子サッカー日本代表チームなでしこのトレーナーを務めた松井史江さんです。ビーチサッカー選手の林さんと宮古島に移り住み映画館を手伝っています。この日は大量のポップコーンを作っていました。これらは一体何処へ運ばれて行くのでしょうか?

JTA宮古ドームの駐車場に巨大スクリーンやプロジェクターなどの機材が設置されていきます。実はこれ宮古島初の試みとなるドライブインシアターの準備なんです。

映画のおともポップコーンは島に一つしかない映画館パ二パ二シネマで作ってもらったものです。映画をより楽しく観てもらおうと会場に来た人に渡されます。

青年部会長「今回コロナの中でも3密を避けるという部分で、車の中で密をとるドライブインシアターという事業を行って少しでも宮古島の皆さんの笑顔につながるような事業が出来たらなと考えて行っております」

映画を通して宮古島を元気に!

コロナ感染拡大で楽しめる場が減っている中、島の人たちが笑顔で元気になることを願って実施されました。会場に入れるのは100台とあってチケットは販売を始めてものの30分で売り切れてしまいました。

青年部担当「ガンバロー!ガンバロー!ガンバロー!」パチパチ

会場に来たお客さん「映画見に来た!」楽しみ?「うん!」「うれしいよねこんな所で見れるのがね!」「イベント事が少なくなってきているから色んな体験をさせてあげたいと思って初めてのイベントなのでどんな感じか楽しみでワクワクしています」「ポジションはどうですか?まあまあいい方じゃないかと思います。

今回上映したのは子供から大人まで楽しめる人気アニメ映画「ペット」映像は本島から船で運ばれてきた600インチのスクリーンに映し出され、音声は車のFMラジオの周波数を合わせることで聞くことができます。また、車を駐車する間隔を広めにとるなど、人も車もソーシャルディスタンスを保ちながら上映となりました。

映画館とは違い周りを気にせず食事をしながら見る家族。車の荷台に座って鑑賞するなど車ならではの楽しみ方で鑑賞していました。お客さん「初めての体験だったのでとても楽しく見させていただきました」「大きなスクリーンを建てて皆を楽しませて頂いてスタッフに感謝いたします」「結構ドライブインシアター沢山あったので行っていたんですけど、過去のものになっていってしまってたんですごく懐かしくて楽しかったです」「楽しかった!」「家で映画を見るより全然楽しかったのでこれからもやってほしいと思いました!」

映画を通して宮古島を元気に!

青年会会長「いい波及を持って宮古島全体が明るくなると思いますので今回パ二パ二シネマさんと色々協力し合って出来たことは有意義な事だったと感じています!」

大盛況で幕を閉じた宮古島初のドライブシアター映画が島の人々に元気を与えてくれていました。