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復元が進む首里城の今人々の思いを紹介する「週刊首里城」です。今回は、今年11月の正殿完成に合わせて新調される「国王と王妃の衣装」です。国王の衣装といえば、色鮮やかな「赤」のイメージが強いですよね。

そうですよね。ですが今回蘇った衣装は、これまでのイメージを一新する全く異なる装いです。職人たちの情熱と、隠されたデザインの秘密に迫ります。

琉球王国の華やかさを今に伝える、色鮮やかな国王と王妃の衣装。かつて中国皇帝から贈られた反物を、琉球の職人が丹精込めて仕立てた一着です。国の安泰や豊作を祈る儀式などで着用され、王国の威信を示してきました。

2019年の首里城火災。奇跡的に難を逃れた衣装は、復元へのあゆみとともに、首里城のイベントで人々に希望を届けてきました。そして、いよいよ今年11月に迫った首里城正殿の完成。これにあわせ、国王と王妃の衣装も装いを新たに甦ります!

沖縄美ら島財団 湧川盛順理事長「(衣装復元は)首里織や紅型・衣装仕立てといった琉球独自の技術継承と人材育成の機会となり、次世代の文化を繋いでいく大きな意義と有する取り組みだった取り組みと考えております」

先月、那覇市で開かれた「琉球国王・王妃衣装」のお披露目展。有識者や現代の職人たちが情熱を注ぎ、およそ3年の歳月をかけて甦った至高の美。正殿の完成とともに、新たな時代の幕開けを彩ります。

「今ここで揃っている、下で処理したいから」「この状態で重さがついている状態でここに押さえ、その段階で微調整して待ち針で打ち直してかける」

一見、赤のイメージが強い国王の礼服。しかし今回は、渋みのある茶色です。

第42回 週刊首里城 国王・王妃衣装 往時の姿に

沖縄美ら島財団 上江洲安亭さん「(琉装の国王衣装ですね)色がすごく紺茶地という茶色い色になってますが、これは私たち、沖縄美ら島財団が持っている反物ですね。中国の皇帝からもらったもので、全く使われていないものがありまして、(復元に)使ってないことからあの退色一番してないだろうということで」

基となったのは、中国の皇帝から贈られた「茶地繻珍布(ちゃじしゅちんふ)」財団に保管されていた原布を手がかりに、清朝時代の織り方を忠実に再現。京都の織物工房で見事に蘇らせました。

組踊道具・衣装製作修理技術保存会 屋比久珠代さん「1番、裁断が怖かったっていうのがあって、(普段の)反物じゃないので反物とは全く違う裁断なので、ハサミを入れるのが最初に怖くて」

二度と手に入らない貴重な生地。裁断には相当な覚悟が伴いました。作業はいよいよ最終工程へ。裾周りの擦り切れを防ぐ「比翼(ひよく)」を、職人が手際よく縫い付けます。

今回、仕立ての大役を担ったのは、組踊道具・衣装製作修理技術保存会の屋比久珠代さんと比嘉知重さんです。

組踊道具・衣装製作修理技術保存会 比嘉知重さん「生地が硬かった、確かに生地がもう普段こういうのあまり踊り衣装には使わない、その分はちょっと「わお」と思って。どうにか崩れないように、これがあと何年残るかと思ったら、やっぱりちゃんとやっとかないといけない』

第42回 週刊首里城 国王・王妃衣装 往時の姿に

和服とは異なる、琉球独自の様式美。

組踊道具・衣装製作修理技術保存会 屋比久珠代さん「(琉装は)帯を締めないのがま基本であって、王様は大帯(うふおび) と言って帯を締めるのですけども、袖口などが和服に比べて広く開いてるのが分かると思うんですけども、こういうのって風を通すんですよ」

組踊道具・衣装製作修理技術保存会 比嘉知重さん「(王妃衣装は)紅型がちょっと派手なぐらいで、ほとんどが首里織が身分の高い方たちは首里織を着てらっしゃる、紅型とか首里織は身分の高い方で、身分の低い人っていうのはバサーとか木綿(民衆は)柄ってそんなにいいんですよ。せいぜい縞(模様)」

そして、目を引くのは国王の装飾。装飾には両肩と背中中央に中国皇帝の威厳を象徴する5本の爪を持つ龍が施されているのが特徴です。さらに、龍の周りを舞う羽模様。

沖縄美ら島財団 上江洲安亭さん「実はコウモリがたくさん飛んでいる、コウモリって言うと皆さんはちょっと怖い生き物って思うかもしれませんが、東アジアではコウモリは福を呼ぶ生き物なので、コウモリがたくさん飛んでいるっていうような模様になっています」

龍や瑞雲に交じり描かれたのは、幸福の象徴・コウモリ。往時の姿を映す一着に、職人たちも確かな手ごたえを感じています。

組踊道具・衣装製作修理技術保存会 屋比久珠代さん「国王の衣装が元々の琉球王国時代の寸法っていうことが、今回とても私たちとしては重要なことで、この違いが本当の琉球時代の着用姿を感じる、ある意味原点みたいのがどっかで見られるっていうことは良いことかなと思ってます」

組踊道具・衣装製作修理技術保存会 比嘉知重さん「若い方たちに、せいぜい40代50代の皆さんにこういう風にしたこういう仕立て方をしたんだよっていうのをとにかく伝えて、若い方たちを育てていかんといけないなと思う」

「技を記録し、記憶を繋ぐ」。受け継いだ手仕事を次世代へ託す、職人たちの情熱です。蘇った礼服は、今年11月の首里城復興祭でお披露目。新たな歴史の1ページを飾ります。

第42回 週刊首里城 国王・王妃衣装 往時の姿に