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ここからは特集、きょうは、この“黒糖”にまつわる話題です。島の黒糖づくりを支える製糖工場で赤字が続き、存続の危機に直面しています。サトウキビを基幹産業と位置付ける与那国島で話を聞きました。

与那国町の農家「この島は農業で成り立っているような島ですから。JAがいなくなると、もう島がなくなりますよ」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

長年、さとうきびを栽培する農家の嘆き。島の“黒糖工場”の存続が今岐路に立たされています。

「“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える?」

島の天然記念物・与那国馬がのんびりと暮らし、ゆったりとした時間が流れる日本最西端の島、与那国島。基幹産業は農業で、その中心となっているのが“サトウキビ”です。

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

さとうきびが原料の“黒糖”は、すっきりとした甘みとビターな深みが特徴で、お土産としても定番の人気商品です。そうした中、離島の黒糖づくりを揺るがす問題が明らかになりました。

JAおきなわが指定管理者として運営する5つの離島の黒糖工場で赤字が続き、場合によっては、JAが運営から“撤退”する可能性が示されたのです。

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

現在、県内には8つの製糖工場があります。このうち5つの工場を指定管理者として運営しているのが、JAおきなわです。その5工場において、2015年度からの10年間で34億円ほどの赤字が出ているのです。

これを受けて、JAは「操業を終えたあとの決算で生じた赤字に相当する額を5工場の町村に求める」とし、場合によっては、指定管理から撤退せざるを得ない状況もあり得るとしています。

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そのうち最大の赤字額になったのは与那国製糖工場で、その額は約1億1900万円(24年度)にも上ります。

農家 崎原正吉さん(79)「医者がいなくても、JAはなくてはならない島、離島ですから。どうしても、もうキビが主体ですから、JAは存続してもらわないといかんと思う」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

25年以上、サトウキビを育てる崎原正吉さん。崎原さんは、もし、JAが運営から撤退すれば「サトウキビ作り自体が難しくなる」と訴えます。

農家 崎原正吉さん(79)「もう大変ですよ。キビも作れないし。今、製糖工場は役場が作って、JAが指定管理しているが、これを役場でやれと言われても、役場ではできないですよね。工場も閉めないといけないような状況になると、キビも作れないし、何を作るかということが問題」

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工場の問題は、一つの施設の経営だけに留まらず、島でこれからも農業を続けていけるのか、その根幹に関わっています。

農家 崎原正吉さん(79)「どうしても基幹であるサトウキビだけは守っていきたい。沖縄県の基幹作物ですからね。これだけは守ってもらいたいと考えている」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

上地常夫 与那国町長「5工場、みなさんサトウキビがないと多分、島は滅びていくと思う。経済はそれで回っているので」

農家の不安が広がる中、与那国町の上地町長も工場存続に強い危機感を持っています。

JAおきなわの主張は、先に説明を受けていた伊江村から情報を得ていたといい、その後、与那国町へは6月末に正式な説明があったということです。

上地常夫 与那国町長「実際、1億円を超えるような赤字補填を町の財政から捻り出すのは非常に厳しい。これは、はっきり言って、ちょっとお支払いできる金額ではない。ただ、赤字になってもJAがずっと経営するというのもこれは無理なこと。何かやはり仕組みづくりが必要だと思っている」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

「そういう意味では、離島振興協議会や町村会など、そういう組織が早速県に要請行動を行っているので、その中で、いろいろ県・国を巻き込んで、じゃあ、離島での黒糖の生産をどうするんだと、やっぱり解決していく必要があると思う」

一方で町長は、国や県からの支援頼りになってはいけないと話します。

上地常夫 与那国町長「ただ、私どももやることはやらないといけない。きっちり、ある程度の生産量は毎年確保できるように、農家のみなさんにも頑張ってもらわないといけない。そのためには行政もしっかり農家のみなさんを支援するという形は取っていきたいと思っている」

現在、与那国町では、サトウキビの生産量を増やすため、夏に新たに植え付ける際の肥料・農薬の助成や干ばつ時の水やりにかかる費用の補助、さらには、さとうきびなどを生産する新たな就農者を優先する定住型住宅を設けるなど、担い手の確保にも取り組んでいます。ただ支援は十分といえず、今後もバックアップ体制を整えていきたいと話します」

上地常夫 与那国町長「塩害に耐えきれる作物ってそんなに多くない。その耐えきれる一つの作物としてサトウキビがあるわけですから。これはもう絶対、この島にとって欠かせない作物の一つ。与那国の黒糖が大好きな人もいっぱいいるので、そこは絶対、生産し続けることが大事かなと思っている」

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記者解説 JA5工場から撤退か 黒糖工場で赤字


ここからは、取材した玉城アナウンサーです。玉城さん、なぜJAが経営する離島の黒糖工場で赤字が続いているのでしょうか。

玉城アナウンサー「JAおきなわは、主に2つの理由を挙げています。ひとつは、人件費です。離島では、島外から工場を動かすための人員を確保する必要があり、その費用が大きな負担となっています。そして、もうひとつが、黒糖の原料・サトウキビの生産量が減少していることです」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

「高齢化による離農や天候不良などで与那国では、この2年間の製糖期で、生産量がおよそ4000トンから2300トンほどまで、4割以上減りました。ただ、生産量が少なくなっても、製糖工場を安全に動かすためには一定の人件費のほか、設備費などの経費もかかります。これまでJAも、赤字を改善しようと様々な策を講じてきましたが、赤字は改善できていない状況です」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

ただ、JA側も決して製糖工場をなくしたいわけではないんですよね。

玉城アナウンサー「その通りです。仮に、工場の運営がとまってしまった際に、島で収穫したサトウキビを別の島に運べるかというと、船の確保や輸送コストの面から、現実的ではありません。JAの担当者は『工場の停止は、ひとつの製造業の問題にとどまらず、離島経済の維持にも大きな影響を及ぼすもの』と受け止めていて、なんとか撤退だけは避けたい、としています」

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だからこそ、今後の県や国の支援が重要ですね。

玉城アナウンサー「今回の問題をきっかけに、農家、JA、自治体、そして国や県が、それぞれ何ができるのか。具体的な対策が求められています」

離島の“黒糖”に存続危機 島の基幹産業 誰が支える? 

ここまで玉城アナウンサーでした。