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任期満了にともなう県議会議員選挙の告示が、いよいよあさってに迫りました。ここからは、取材にあたっている船越記者に解説を交えて伝えてもらいます。

船越記者:はい。今回の選挙戦は新型コロナの影響で通常の選挙活動できないため、候補者の中には「誰も経験したことのない選挙」だとして、結果の読めない選挙戦を展開しています。

船越記者:まずは、現在の県議会の与野党の勢力図がどのようになっているのか。現在の県議会は定数48に対して欠員が2人出ていますが、玉城知事を支える立場のいわゆるオール沖縄勢力が過半数を占めています。

船越記者:こうしたことを情勢を踏まえ、今回の県議選で県政の与野党、それぞれの立場でどのような政策を打ち出しているのか。まずはこちらのVTRをご覧ください。

任期満了にともない来月7日に実施される今回の県議会議員選挙。県議会は、選挙によって選ばれた議員が、予算や条例など県の重要な事項について意思決定を行うという大きな役割を担っています。

今回の選挙は、今年で就任2年を迎える玉城知事にとっても、これまでの県政運営を県民がどう評価しているのか、いわゆる「中間テスト」の意味合いもあります。

60人余りが県議選の立候補の意思を示す今、県議会に議席を持つ政党や会派は県議選に向け、様々な政策を打ち出しています。

まずは、県政奪還を至上命題に掲げる県政野党の自民党。推薦も合わせ21人の候補者を全選挙区で擁立し、公明党などの中立会派と合わせて過半数を目指しています。

今回の選挙では重点政策として、次期沖縄振興計画の策定などを掲げ、政府との橋渡しの役割を担うと主張しています。

その自民党と協力関係にある公明党ですが、新型コロナの影響で支援者の活動が大幅に制限されることなどを理由に、擁立していた2人を取り下げ、今回は2人の候補者で挑みます。

選挙では県民の命や家計を守ること、基地問題や戦後処理の早期解決などを柱に支持を訴えます。

一方、県政与党で最多の6議席を持つ共産党。今回は7人を擁立し、全員の当選とオール沖縄での過半数の維持を目指します。

辺野古新基地建設の断念や、子どもの貧困解消などを重点政策に掲げ、玉城県政を支えていきたい考えです。

また、与党最大会派の一角を担う社民党。現在の4議席に対し、5人を擁立しいていて、県政与党としての立場を守ることを目標としています。

これまでに政策発表は行われていませんが、基地問題の解決や、沖縄のさらなる振興などを中心に訴えています。

現職3人を擁立した同じく県政与党の社大党。議席数を維持し、与党過半数を守り玉城知事を支えていく構えです。

社大党の候補者も、それぞれ辺野古新基地建設反対や、子どもを取り巻く問題の解決などを訴えています。

与党系の無所属議員が8人で構成される会派おきなわ。2人が引退を決めていますが、後継候補を擁立して選挙に挑みます。選挙では、各候補者がそれぞれの選挙区で抱える問題の解決のほか、辺野古新基地建設反対の立場を示しています。

会派「維新の会」として活動してきた2人は、下地幹郎衆議院議員が日本維新の会から除名処分となったことで、今回は無所属で選挙に挑みます。

4月にインターネットで選挙本部設置の会見を行い、教育費の無償化や日米地位協定の見直しなどの政策を訴えています。

今後の沖縄の行方を左右する県議会議員選挙はあさって29日に告示され、繰り上げ投票が行われる竹富町を除き、来月7日に投開票されます。

中村アナ:様々な主張がありました。しっかりと見据えて一票を投じたいと思いますが、さて、今回の県議選、各候補者は、新型コロナの影響で、緊急事態宣言の中での選挙活動を余儀なくされましたね。

船越記者:はい。政策の面では各候補者がスピード感を持った対応などを訴えていますが、選挙の戦い方にも大きな影響を与えています。

船越記者:新型コロナの感染拡大防止の観点から、集会などがなかなか実施できない状況になっていて、ある候補者からは「今回は異例中の異例の選挙戦で、だれも体験したことない選挙戦になるだろう」と話していたほか、自らの顔や名前を覚えてもらう機会がなかなか作れないことに関してほかの候補者からは「新人候補には厳しい戦いになるかもしれない」との声も聴かれました。

中村アナ:VTRでもありましたが、公明党は新型コロナの影響で候補者の擁立も取り下げているようですね。

船越記者:公明党は新型コロナの影響で、支援者の活動が大幅に制限されることなどを理由に投票日を遅らせることを提案していましたが、かなわず、2人の擁立を取り下げました。これは県議会の情勢にも影響を与えそうです。

中村アナ:有権者にとっても、緊急事態宣言が解除になったとはいえなかなか投票所に足を運ぶことに対し抵抗感がある方もいるかもしれないですよね。

船越記者:はい。その懸念は当然あると思われ、投票率への影響も指摘する声があります。そのため、県選挙管理委員会では感染拡大防止対策として、投票所での消毒の徹底はもちろんですが、投票に訪れる人同士の間隔をあけることや、使い捨て鉛筆の提供、投票所の換気など、様々な感染対策を講じる予定です。

中村アナ:今後の沖縄を左右する大事な選挙でもあります。期日前投票なども積極的に活用しながら大切な一票を投じてほしいと思います。船越記者でした。