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Qプラスリポートです。県内各地に残る方言。その多くが消滅の危機にあると言われています。そんななか、言葉を大切につないでいきたいと、さまざまな取り組みが行われています。

「沖縄にいる彼女たちでもうちなーぐちがわからない」

これはNTTドコモが制作した動画。高校生たちはお年寄りの話すことが理解できません。沖縄の文化や心が凝縮された独自の言葉。2009年、ユネスコは奄美を含む琉球列島で話されている6つの言葉が消滅の危機にあると発表しました。

地域の方言大切に残す行政や企業の取り組み

県が実施した調査でも各地域の言葉を「よくわかる」と回答したのは70代以上で54.0%、10代ではわずか0.4%。高齢世代でも、よく理解できる人は半数程度しかいないのが現状でした。

NTTドコモ プロモーション部 小林 健太朗さん「コミュニケーションのツールである言葉の課題を何とかしてドコモの力で解決に導けないかと思った」

これからの未来へ、地域の言葉をつないでいこうとNTTドコモと、若い世代、地域の人々が協力し、およそ8カ月かけて作りあげたのが、「みんなのうちなーぐち辞典」。

親しみやすい動画で沖縄ならではの味わい深い言葉に触れることができます。

NTTドコモ プロモーション部 小林 健太朗さん「うちなーぐちについてよく知らない若年層に対して興味を持ってもらうには彼らにとって身近なスマホで動画を見る方法が効果的ではないかと考えました」「10代20代は日常生活の中でほとんど聞いたり話す機会がなくなってきているそうなので、普段スマホでいろんな動画を見ているような感覚で、空いた時間に見てもらったりして覚えてもらったらいいかなと思います」「楽しみながらも、少しでも言葉や文化の大切なものに気づいてもらえたらよりうれしいです。」

地域の方言大切に残す行政や企業の取り組み

WEB上で公開されている「みんなのうちなーぐち辞典」。106もの言葉が紹介されています。

一方、行政もさまざまな取り組みを行っています。沖縄県文化協会のしまくとぅば普及センターでは、数年前から各地域の言葉をまとめたハンドブックを制作しています。

しまくとぅば普及センター 波照間永吉センター長「かたらな ちかわな しまくとぅば」「語ろう使おうしまくとぅばと言う意味になります」「身体に関する言葉、それからさらにはお祝いであるとか」「生活のいろいろな必要な場面で、使われる会話を集めて、この形にしてあるんですね。」

ハンドブックでは那覇・首里の言葉を始め、北は読谷から、南は与那国までの地元で使われている言葉を紹介しています。それは地元に住む人々に協力してもらいながら、ひとつひとつ集めたもの。発音なども細かく表記されています。

頭「(那覇)ちぶる、(宮古)かなまいぅ、(石垣)ちぶりぅ、(与那国)みんぶる」

しまくとぅば普及センター 波照間永吉センター長「(言葉は)小さな村の長い歴史の中で、培われてきた大切な文化なんです」「私たちの村は30人しかいないから言葉はなくしていいと思っている方は、誰もいないと思うんです」「我々人間一人一人に個性がありそれぞれ独特の顔立ちがあるように言葉にも個性があるんです。その個性をしっかりと次の時代に伝えていく」

地域の方言大切に残す行政や企業の取り組み

しまくとぅば普及センターのWEB上では、誰でも地域の言葉を学べるようハンドブックや、しまくとぅば50音表の他、紙芝居などを公開しています。

しまくとぅば普及センター 波照間永吉センター長「学校が休校中にこういったものも、手に取ってもらっておじいさんおばあさんもお宅におうちにいらっしゃることでしょうから、退屈しないで新しい勉強ができるのではないでしょうか」

地域の文化や心が凝縮された沖縄の言葉。味わい深いさを身近に感じ、楽しむ気持ちが、言葉を未来へつなぐ第一歩となるかもしれません。