登校の子どもたちが音楽家といっしょに音楽劇を披露しました。子どもたちが舞台に込めたメッセージとは。

様々な理由で学校にいけなくなった子どもたちの居場所、kukulu。子どもたちを元気づけようと2年前から、音楽家たちが月に一度、ワークショップを開いています。

今年は、その集大成となる音楽劇を開くことになりました。

Qプラスリポート 不登校の少年たちが挑む音楽劇

作曲家・鶴見幸代さん「みんな実は、自分のアピールしたいことがたくさんあるんですよね。本当の自分じゃないみたいなことをやるのが舞台だと思う。みんな素が見えるんですよね、それが面白い。みんなの素を見てほしい」

劇には、kukuluのメンバーの他、うるま市の放課後の居場所「からふる」のメンバーも参加します。

からふる・橘虎之介さん「元気がいっぱいでまとめるのは大変だとは思うんですけど、しっかりできたらいいなと思っています」

音楽劇のリーダー、虎之介さん。同級生との口論がきっかけで学校にいけなくなりました。今は、高校卒業認定試験に向けて勉強しています。そんな彼が劇に込めたメッセージ。それは「人は立ち直れる」ということ。

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虎之介さん「kukuluに関わらず、いろんな人に当てはまるようなことかなと思っていて、ちょっと勇気をもらってほしい」

俳優として、重要な役を演じるのは英樹さん。kukuluの大先輩です。去年の春から大学生になったものの、欠席する日が続きました。

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国吉英樹さん「周りの目が気になる。自分が劣っている感じがしていて・・・」

そんなときも心の支えになったのが、やはりkukuluの仲間でした。

英樹さん「学校でがんばったこと、褒められたことがあったとき、伝える人がいなくて、kukuluのラインとかで話したりとか。それでしゃべって、自分こんなことしましたよっていうと、喜んでくれたりするのがすごくうれしくて」

そんな英樹さんに、演技指導をしている末吉さんからある提案が。

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俳優・末吉功治さん「どんなにつらい思いをしても立ち上がって前に進む、間違ってないからっていうことをソロで表現してほしい。ここ結構重要。俺できると思うよ、こないだの芝居みたけど、できると思うからお願いしてる」

英樹さんはメインとなる曲のソロを頼まれたのです。

英樹さん「できるかな?って思ったんですけど。やれるから頼んだって言われたから、それに応えたいなと思って」

英樹さんには気になることがありました。去年も一緒に舞台を踏んだ親友・飛翼さん。今年は体調を崩し参加できませんでした。

英樹さん「(飛翼は)参加したかったのかなっていうのはあるんですけど、そんな飛翼に恥ずかしくないようにしっかり演じきろうと思っています」

さまざまな思いが詰まった舞台。どんな音楽劇になるのでしょうか。

音楽家と不登校の子どもたちが作り上げる音楽劇。本番の前にある人が駆け付けてくれました。体調不良で今年は参加できなかった英樹さんの親友・飛翼さんです。

「緊張してる?ちょっと緊張してるでしょ」「緊張っていうよりずっと考えてます」「良い舞台になるといいね」

みんなが心をひとつにつくりあげる舞台が幕を開けます。

「頑張りましょう!お~!」

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主人公はダンス大会で失敗して以来、自信をなくしてしまった少年。演劇を見て奮起するというストーリーです。少年を演じるのは虎之介さん。

「昔のことはもう関係ない、ダンスは好きだろ~♪」「行きたくないよ、ダンスは興味ない、昔の失敗思い出す~♪もう忘れたいよ」

その少年が見た劇がこちら。

「借金のかたに、頂いた~♪荷物をまとめでていけ~」

借金のかたになった教会を守るため、シスターたちが歌で寄付をつのるというお話です。しかし・・・

「みんな火事よ!早く逃げて!」

シスターたちは放火犯の濡れ衣を着せられ、窮地に追い込まれます。

「お前がやったんだろ~!」

しかし、強い心で立ち向かうシスター。演じるのは英樹さんです。

Qプラスリポート 不登校の少年たちが挑む音楽劇

「ほら、私が行くわ~♪自分のビートに乗って進む♪恐れない、謝らないわ、this is me♪」

「教会も立て直せばいいわ。人は何度だって立ち上がることができるの。その思いを捨てない限り。必ず」

そんなシスターの姿に勇気をもらった少年。

「人は何度だって立ち上がれる。その思いを捨てない限り。必ず・・・。おれ、また、ダンスやりたい!」

お客さん「もう涙出た~」「女優さんみたい。素晴らしい脚本でした」

虎之介くん「普段人の前で歌わないと思うんですよ、それができたのが一番、成長しているかな」

英樹くん「とっても自信がつきますね。(不登校の子も)大手を振って出歩いてくれたらうれしい。何も恥ずかしいことではないと思います」

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作曲家・鶴見幸代さん「学びの場っていうのは今や選択できる。選択の幅をもっと私たちがつくって、みんなが選べるようにして、自由に選んで、道を進んでほしいなと思います」

励まし合える仲間がいる。わくわくする居場所がある。挫折は誰でも経験すること。自分で道を選び立ち上がる強さを彼らは教えてくれました。