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おととい、炎天下で開かれた県民大会では、翁長知事が、再び「承認撤回」を明言するなど、多くの県民の不安と抗議の声が集結しました。一方で、「オール沖縄」という言葉の意義が改めて問い直される大会にもなったのではないでしょうか。

糸満市女性「あるもの(基地)はね、なるべく減らしていきたいところなのに、またこれに新しい基地といったらもう。やっぱり子どもや孫たちの時代に『なんでばあちゃんたちは、黙って造らせたの』と思われないように」

北谷町女性「政府のお偉い方々たちは全然聞く耳持ってないと思うんですよね。今回またオスプレイが事故を起こしたりしたことで、もう一度声をあげて、やっぱり嫌なんだ、ということを知ってもらいたいなと」

基地が日々の生活に与えている不安を取り除いてほしい。新たな不安をもたらす基地は造らないでほしい。

政治が「オール沖縄」の声埋もれさせるのか

72年間変わらない「理不尽」な犠牲への悔しさが、会場に渦巻いていました。

翁長知事「オスプレイの配備撤回、辺野古新基地建設反対、普天間飛行場の閉鎖撤去。今日までの県民の主張はいささかの揺るぎのない正当な権利であります」

「オール沖縄」の声が叫ばれた県民大会。しかし「オール沖縄」という言葉の意味が、改めて問われる大会ともなりました。

「オスプレイの配備撤回」「辺野古新基地建設反対」「普天間基地の閉鎖撤去」

この3つの要求が、県内41すべての市町村の代表が署名した「建白書」として政府に突きつけられたのは、4年前。

政治が「オール沖縄」の声埋もれさせるのか

翁長那覇市長(当時)「基地を挟んで保守革新がいがみ合うのではなく、オール沖縄で基地の整理縮小を訴えていこう」

2013年1月の東京要請行動。安倍総理や菅官房長官との会談日程も自民党県連が調整し、文字通り「オール沖縄」の行動でした。

翁長那覇市長(当時)「この温度差を縮めるのも大変、解決するのも余計大変だろうけども、しかし今のままでは沖縄もダメになりますし、日本という国がダメになる」

沖縄側が内輪の対立を乗り越えなければ、命の問題である基地の過重負担が、イデオロギーの問題にすり替えられてしまう。翁長知事は那覇市長当時から、県内の結束の必要性を語っていました。

しかし今回の県民大会を主催した「オール沖縄会議」は、翁長知事と対立する自民党、中立の公明党に対しても、参加を呼びかけなかったといいます。

オール沖縄会議関係者「『翁長知事を支え』と銘打つ大会に、自民党が協力する可能性はない。差止訴訟を全面的に支持するし、それは公明党だってのれないから、声をかけないことにした」

政治が「オール沖縄」の声埋もれさせるのか

県民の一致した主張としての「オール沖縄」の声が根強く存在するなか、その声を、再び分断された政治のなかに埋もれさせるのか。

新たにオール沖縄会議の共同代表に就任した琉球大学の高良鉄美教授は、現在あるべき「オール沖縄」の意味を、こう語りました。

高良鉄美共同代表「(基地に関する)人権侵害の問題とか自治権の問題とか、それが根底にあるわけですよね。『オール沖縄』っていうのが、政治的なことばかりにフォーカスがいくけどそうじゃなくて、選挙で勝った負けたの問題じゃなくて、本当に重要な問題は何なのか、というところをやっぱりやる。訴え続ける、ということが『オール沖縄』の意味だろうと思うし」