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墜落事故からわずか2日。自粛要請にもかかわらず、オスプレイはきょうも沖縄の空を飛びました。

オーストラリアの東で訓練中だった、普天間基地所属のオスプレイが墜落した事故を受け、小野寺防衛大臣は、アメリカ軍に国内でのオスプレイの飛行自粛を申し入れましたが、7日午前、オスプレイ1機が普天間基地を飛び立ち、飛行が再開されました。

墜落事故は、5日の午後4時ごろ、普天間基地所属のMV22オスプレイがアメリカ軍とオーストラリア軍の合同訓練中に発生し、乗員26人のうち3人の行方が依然分かっていません。

オスプレイ 飛行自粛要請も飛行を強行

普天間基地の所属機が起こした事故に、翁長知事は「本当に、起こるべくして起きたと。とんでもない、飛行機でもありますし、それから原因究明とかそういうものにおいても、全くあてにならない。ある意味で、日本政府が当事者能力を持って、何も言えないというのが、今のような状況になっていると思う」と怒りをあらわにしました。

また先週の内閣改造で就任したばかりの小野寺防衛大臣は、「自粛要請を申し入れておます、米側には。今まだ先方からの状況がどうだったかは報告を受けていませんので、今日執務のなかでまた米側の反応等も報告があると思います」と述べ、日本国内でのオスプレイの飛行を自粛するようアメリカ側に申し入れたと明らかにしました。

オスプレイ 飛行自粛要請も飛行を強行

ところが、午前10時42分、オスプレイ1機が普天間基地を離陸。朝の会見の5時間後、再びカメラの前に現れた小野寺防衛大臣は、「米側としては昨日の飛行の自粛要請を受け止めているものの、本日の飛行は安全性を確認したうえで運用上必要との判断を米側がしたものだという説明がありました。(Q.米側の対応について、どう受け止めているのか?了としているのか?)これは自粛を求めている中でありますので、ただ米側としては、どうしても運用上必要なんだという説明はありました(Q.米側は何故どうしても飛行が必要だったと説明しているのか?)これは、部隊の運用上の問題だという説明はありました」と話し、アメリカ軍が一方的に飛行を再開した理由について、「運用上必要」だとするアメリカ軍側の事情を説明することに終始しましした。

オスプレイ 飛行自粛要請も飛行を強行

一方、県内では佐喜眞宜野湾市長が、「安全が確認されるまでの間のMV‐22オスプレイの飛行停止を、改めて強く求める」と外務省沖縄全権大使と沖縄防衛局長に対し飛行中止を要請しましたが、これもすでに飛行再開されたあと、佐喜眞市長も「何回このような抗議、要請をすれば事故が無くなるのか。普天間の返還を1日も早く実現して頂きたいと。それしかない」と述べ、苛立ちを隠そうとはしませんでした。

そして県庁では、中嶋沖縄防衛局長が富川副知事を訪ねました。「もう、ご存知かもしれないが、今日の午前中、オスプレイ1機、普天間を離陸して飛行をしている。引き続き、自粛については求めていきたい」これに対し富川副知事は、「司令官も良き隣人たれとか、政府高官も県民に寄り添うというが、こういう現実(飛行再開)を見ると、やはり言葉が非常に空虚に思えてしょうがない」と述べました。

さらに中嶋防衛局長は、「(Q.(ニコルソン四軍調整官から)飛行再開した理由の説明はあった?)安全性は確認をしっかりしているということだった」と述べました。

それでもオスプレイは安全だと説明しているというアメリカ軍。しかし県民は危機感を持って受け止めています。

宜野湾市民は、「良く夜も飛んでいるので、うちの周りを、あれ(墜落)がうちだったらと思うと怖いなって頭をよぎりましたね」「もし沖国大みたいに(オスプレイが)落ちたら危険だから、(普天間基地が)なくなるのを願うだけです」などと述べました。

また新ヘリパッドが7月に運用を開始した東村高江では、「ここ訓練場だから、新米が来るでしょう。いつ落ちるかわからない。とても危険なところですよ。この国頭の山脈は」「本当に芯からわじるというのはこれですよ。沖縄の意見というのはなかなか聞いてもらえない」と話していました。