ことし国内最大のサンゴ礁を襲った大規模なサンゴの白化現象。石垣島の海では、実に7割以上が死滅、専門家は過去最悪と警鐘を鳴らしています。今後どうなるのか、野島記者の報告です。

今月、石垣市で開かれた白化に関する協議会。その被害が「過去最悪」だったことが報告されました。

琉球大学理学部 中村崇准教授「これ(白化)は、必ず起こるだろうと。一度起きたことは、二度あるというよりも、どんどん繰り返されて酷くなることを想定して、対応していかないと間に合わない」

石垣島と西表島の間に広がる国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」。これまでに、何度も白化の被害にさらされながらも、何とか、生きながらえてきました。

過去、特に大きな被害があったのは、1998年、2007年と9年おき。これまでのデータを詳細に分析したところ、その深刻さが増していることが分かってきました。

中村准教授「次世代の赤ちゃんというサンゴが入ってくれば、回復の兆しがかなり出てくると思う」

県内のサンゴは、主に5月から6月の満月の大潮の日に産卵します。受精した卵が、新たに根付くことでサンゴ礁の海が維持されています。

これは、こうした産卵の後にサンゴの子どもが、海底にどれだけ根付いたかを示したグラフです。

ここ10年間の調査では、大規模な白化現象が起きると、その後、数年間、激減することが分かってきました。

中村准教授「2007年の白化以降、それ以前の数値からすると、半分以下の状態が数年間ずっと続いて、ここ最近、ようやく数値が戻ってきたところでまた大規模白化が起きた状態」

中村准教授は、こうした状況が、さらに酷くなると警鐘を鳴らしています。

中村准教授「もちろん病気やケガ等にも、免疫的に落ちてしまって弱くなっていくと。ことしの産卵期、この時期に、次世代を作る能力がかなり落ち込む可能性もある」

過去の大規模な白化現象と比較しても、今回の白化で死滅したサンゴは、およそ2倍。産卵する親のサンゴがいなくなり、残されたサンゴも元気がなくなる。これまで以上に、回復が難しいと予想されているのです。

サンゴがいなくなるとどうなるのか。こちらは、10年前の大規模な白化で死滅した場所。魚の数もまばらでまさにサンゴの墓場です。

中村准教授「おそらく藻類とか、海草とかが出てくるので、そういう生物が優先的に増えてしまうと、サンゴの赤ちゃんが届いてとしても、生き残ることが出来ないと。負のスパイラル、そういう状態になると思う」

こうした不安は、地元でも広がっています。

石垣島マリンレジャー協同組合 屋良部守代表理事「ことしはもう真っ黒、ほとんど死滅している状態なんで、ことし見に来たお客さんが、どういう反応するかでしょうね。もしかしたら相当影響でるかもしれないですね」

自然に回復する力が追いつかない。海の森林ともいわれる、サンゴ礁の崩壊が始まっています。