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シリーズでお伝えしている「人材不足・沖縄」。様々な業界の人材確保の取組みをお伝えしてました。さっそく久田記者とお伝えしていきます。

久田さん、これまでの放送では外国人の労働力の活用が広がる流通業や観光業界、週3日勤務といった働き方改革を進めるIT業界など、奮闘ぶりが見られましたよね。

久田「はい、私は離職率の高さという課題を抱えている建設業界を取材させてもらいまして、そこでは、新入社員を企業に定着させるために、たっぷり研修期間を取るなど、入社直後のケアが人材確保のカギとなっていたんですが、きょうは、就職する前の、学生たちの動きに注目していきたいと思います。」

就職内定した学生「福祉で働くならここ、というのは決まっていたので、ここ一本、です。他の企業は受けてないです。」

内定をもらった1社以外、実質的な就職活動はしていないという琉球大学の学生。テレビで取り上げられていたある企業に関心を持ち、自ら接触。インターンとして働き、そのまま内定を得たと言います。

シリーズ人材不足・沖縄(5) 人材確保へ! 採用戦略

琉大の学生・女性「まず就活じゃなくて経験を高めていくみたいな感じでやっている子もいる気がします。」

琉大の学生・男性「自分のやりたい方向とマッチしてるか、総合的に自分とマッチしてるかというのが大事だと思います。」

自分が何をしたいのか、企業でどんなキャリアを描いていきたいのか。優秀な人材であればあるほど、将来像をしっかり持ち、自ら企業を選択する状況のなか、企業は今、「いかに学生に選んでもらうか」の工夫に頭を悩ませています。

ラジカル沖縄 安冨祖聡次長「特に中小企業の皆様は、なかなか採用人数に達していないとか、大手さんでもそういった話はたまに聞くことがあります。」

求人広告や採用イベントを手掛ける企業には、計画通りに人材を獲得できずに頭を抱える顧客が殺到。特に中小企業の動きに変化が見られています。

ラジカル沖縄 安冨祖聡次長「去年くらいから、”直接接点”というところが重点になってきているのかなと感じます。WEBを使ってとにかく手段を作っていくというところからですね。」

学生との接点をいかに作り、繋ぎとめるかという課題に対し、その答えをインターネット上見出そうとする企業も増えています。

シリーズ人材不足・沖縄(5) 人材確保へ! 採用戦略

豊見城市のこちらのIT企業では、顧客企業の採用に関するWEB制作や、SNSを駆使して学生に情報を届ける戦略提案を行い、多くの受注を獲得しています。

株式会社アザナ 杉浦哲郎代表「ソーシャルメディアっていうものが出来て。そういうところの中でインターネットの時間を過ごしている人が飛躍的に増えてきているというのがあるんで。面白い求人の企画とか企業の面白さっていうのを伝えていくと、非常に魅力的な人材が獲得できるというか。」

多くの企業で、人事担当者や経営者の意識が変化し、いまやそうしたWEB対策は必須だと認識され始めています。

シリーズ人材不足・沖縄(5) 人材確保へ! 採用戦略

株式会社アザナ 杉浦哲郎代表「本当にここ最近ですね、声が変わってきたのは。自社の採用メディアというものをちゃんと持って、そこに対して自分たちの会社のメッセージだとか働いている人の顔とか、仕事の具体的な内容、将来のキャリアパスというのを、わかりやすく面白く伝えていくというのは、すごく重要になってくるというのはありますね。」

人材の獲得は企業にとって生命線ともなっている今、採用戦略にも進化が求められています。

久田さん、インターネットでの情報発信は、新しい話でもないですが、すでに企業が取り組んできたこととは何か違うんですか?

久田「はい、今ではサイトやブログを持っている企業がほとんどだと思いますが、問題は中身です。百聞は一見にしかず、具体的な例を見ていきたいと思います。」

シリーズ人材不足・沖縄(5) 人材確保へ! 採用戦略

久田「宮古島で塩を製造する企業のサイトですが、自社のブランドロゴのすぐ隣に、採用サイトの案内があります。目につきやすいですよね。クリックすると、ここから先はすべて、採用に関する情報なんですね。肝心の通信販売のサイトと同じくらいのウエイトを置いて作られています。」

入社したばかりの方の写真やコメントもたくさん載っていて、明るい雰囲気を伝えようとしている印象を受けますよね。

久田「はい、働く環境が想像しやすいように配慮されている気がします。逆にもしこうした採用サイトが、単に給与や福利厚生などの基本情報だけだったりすると、学生の側からすれば、積極的に試験を受けてみようという気を起こさないまま通りすがってしまう可能性が高いんですね。また先ほどVTRのなかでソーシャルメディアで企業の面白さを伝えていく方法もあるという話がありました。実際、学生にそういった情報も活用しているか尋ねたところ、むしろ名前を憶えてもらうことを期待して、メッセージのやり取りまで積極的にする人もいるという話が聞かれました。」

なるほど、「直接の接点」づくり、ですね。直接の接点、という意味では、これまでの企業説明会と役割がかぶる部分もありますか?

シリーズ人材不足・沖縄(5) 人材確保へ! 採用戦略

久田「合同企業説明会では学生と顔を合わせるという点で重要な役割がありますし、説明会を入口として学生とのコミュニケーションが始まっていくという基本的な流れは変わりません。ただ今は、企業が説明会に出展すること自体難しい状況も起きているそうなんです。12月、1月と予定されている来年度入社の採用イベントでは、すでに出展を希望する企業が予定数の2倍あるそうです。」

半分の企業は、その日学生と会うこともできないんですか。

久田「そういうことになります。一方で、再来年度入社の学生に向けた説明会も、来年3月に幕を開けます。優秀な学生ほど早々に内定が決まる状況で、各企業が他社にない、独自の強み、魅力の発信を進めていく必要があります。」

以上、「人材不足・沖縄」をお伝えしました。