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こちらは1981年に撮影されたベトナムの二重胎児・ベトちゃん、ドクちゃんの写真です。世界中の人たちに枯れ葉剤被害の実態を訴えました。

撮影したのはフォトジャーナリストの中村梧郎さん。およそ40年にわたりベトナムで取材を続けています。

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中村梧郎さん「全くこれは広島、長崎と同じじゃないかと。徹底的な破壊が行われただけではなく、色々な後遺症を残していくという点で許しがたいことだと。人体影響は永遠に続くだろうと思って、感じて取材を続けた」

こちらは大量の枯れ葉剤が撒かれて全滅したマングローブの森で撮られた一枚。7歳だった少年はこのとき元気に走り回っていましたが、19年後に再会したときは全身に麻痺が起き、2008年には39歳で亡くなってしましました。

中村梧郎さん「ここに暮らし続けなければいけない人々の苦しみ。もう逃げ場がないわけですから。ここで鶏を飼い、豚を飼い、魚を獲り、それを食べざるを得ない」

しかし中村さんの写真は悲しみや苦痛だけをとらえたものではありません。子どもたちを慈しむ親や過酷な運命を背負わされながらも、懸命に生きる人々の姿が生き生きと写し出されているのです。

中村梧郎さん「ベトちゃん、ドクちゃんと出会ったときなんか、この子たちは生きていけないと思った。しかし毎年会ってみるとどんどん元気になって、この生命力はすごいと思うようになって。自分の子どもだったらどうだろうと思うようになって、普通の子として付き合うし、普通の子として写真に残そうということが大事とわかってきたと思う」

中村さんは前線基地だった沖縄でも土壌汚染や健康被害が出ていると考え、県民にも枯れ葉剤問題をもっと知ってほしいと訴えています。