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シリーズそれぞれの4・28。きょうは、基地問題を笑いでアプローチしている小波津正光さんです。ことし39歳になる復帰後世代の4・28です。

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小波津正光さん「この4・28というのは、僕らお笑い芸人からすると大多数が関心を持っている話題ではない、今は捉えています。少しひっかかているのは、温度差なんですよ。お笑いは落差ですから。だからそこは引っかかっています」

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こう語るのは、お笑い芸人のまーちゃんこと、小波津正光さん。小波津さんは2005年以降、戦争や基地問題などをタブー視することなく、斬新な切り口で笑いに変えていく「お笑い米軍基地」の舞台の企画脚本演出を手掛けています。

『僕の病気なんですか?ぜんぜん聞こえなかったんですけど』

深刻な話題を笑いで表現するとあって、毎年新作コントを心待ちにしている人も多く、人気の舞台です。

小波津正光さん「今年の新作のアイデアもわーって書いているんですけどね」

今年の公演を2か月後に控え、小波津さんは今、1年間書き溜めてきた話題からネタを厳選し、コントの製作に励んでいます。

小波津正光さん「オスプレイのネタは絶対にやるんですけど。だからこっちにも書いていますけど、オスプレイがお笑い芸人になった感じで。オスプレイだからオチがないんです。なんでオチがないかっていったら、オスプレイは落ちない方がいいでしょ。みたいな」

復帰後生まれの小波津さんにとって、基地は当たり前のように存在し、違和感すら感じていませんでした。

当たり前のようにある基地は、戦争をしたことでそこに存在する。小波津さんは、お年寄りが今でも戦争の光景がフラッシュバックする「戦争PTSD」に悩まされているとを知り、戦争は笑いで乗り越えられないものなのかもと壁にぶつかっています。

小波津正光さん「人を殺すものがあること自体、戦争を体験した人たちにはない話。その説得力。俺たち体験していないからぐじゅぐじゅいうんですよ」

それでも自分に今できることは、物事を客観的に見て、沖縄と本土、アメリカが抱えている矛盾をお笑いに変えて表現することだと信じています。いま話題になっている4・28については?

小波津正光さん「『主権回復の日』と言っているのと『屈辱の日』と言っている沖縄の人たち両方舞台にのせると面白いですよね。ギャップがあるから笑いが生まれる。その間にいる人一般の人たちが『いいさー、普通のゴールデンウィークで』みたいな」

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賛成や反対ではなく、まず子どもや若者に基地問題や時事ネタに「興味」を持ってもらう。そんな思いで、中高校生リスナーが中心のラジオ番組では、日々時事ネタを織り交ぜた漫才を展開しています

『日本で一番偉い人って誰ですか?渡辺恒夫?』「なんでなべつねだばー」『わかった、仲井間県知事だ』「ちがうわー。安倍総理でしょ」『最低でも県外といいながら後からあれは、方便ですって言った人ですか?』「あれは、鳩山元総理。安倍総理って言ったら、今さー、アベノミクスで有名になっているでしょ」『あー知ってますよ、アベノミクス。安倍さんの目やにのことですよね、安倍のみーくすー』「おやじギャグやしぇ。いい加減にしろ」

ラジオパーソナリティー・あいさん「ニュースだけ聞く、新聞とか活字だけだと、難しい感じがするんだけど、笑いがあると入ってきやすいですよね。(Q:4月28日ってどんな日か知ってますか?)4月28日は、お笑いライブします。(マーちゃん:個人的なことですか?)」

政府が式典を開催すると発表するまで取り立てて注目を集めることがなかった4・28。小波津さんは、沖縄の人たちが屈辱の日だというこの日に興味を持ち始めました。

小波津正光さん「安倍総理が参議院選挙を前にアピールをしようとしているのか?いろんな流れがあるんじゃないかってね。そういうのが見えてきたりするわけですよ」

最後に小波津さんにとって4・28ってどんな日ですか?

小波津正光さん「確かにアメリカの統治下おかれたことは屈辱かもしれないけど、日本から切り離されたという屈辱はない。唐の世からアメリカ世、アメリカ世からヤマトの世って、そうやってしか生きてきたないかもしれないけど、いつでも俺はうちなーんちゅっていう思いが沖縄の人にはあるんだと思う」

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