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先月1日のオスプレイ配備から1カ月が過ぎました。この間オスプレイは県内各地で危険なタッチ&ゴーや吊り下げ訓練などを行い、訓練は日々激しさを増しています。この1カ月の訓練内容、そして今後懸念される新たな訓練とは。

『オスプレイがブロックのようなものを吊り下げ、ブルービーチの上空を旋回しています』

先月30日、金武町にその姿を現したオスプレイ。降り立ったのは、着陸帯として整備された場所ではありません。

オスプレイはここからコンクリート製のブロックのようなものを持ち上げ、ぐるりと上空を旋回。同様の動きをおよそ1時間に渡り、計7回繰り返しました。

目撃者「非常に怖いですね。大きいです。不安定な感じは見てよくわかりました」「普通の私たちがここまで来れるところでやってるわけですから、これだけ勝手なことやれるんだなという印象思いました」

沖縄県平和委員会・大久保康裕事務局長「この強襲輸送、人員や物資や弾薬などの輸送がオスプレイの主な任務ということになります」

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戦場に兵士や兵器を送り込む強襲輸送。いよいよオスプレイの本来の任務を想定した訓練が始まったと話すのは、アメリカ軍の動きなどに詳しい沖縄県平和委員会の大久保康裕さんです。

先月1日から順次、普天間基地に配備された12機のオスプレイ。4日に初飛行を行い、翌日にはさっそく、年間1260回もの運用が見込まれている着陸帯「スワン」に飛来しました。

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さらなる動きを見せたのは先月下旬、伊江島でブロック吊り下げ訓練を始めてから。この訓練は、戦場での大砲などの輸送を想定したものだと考えられているのです。

大久保さん「相手からすれば、(大砲の)発射位置を探してそこに反撃をしてくるということがあるんです。反撃されないうちに、けん引式のりゅう弾砲をオスプレイで宙づりして、別の砲台に移転するということがどうしても戦術上必要になってくる」

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『住宅地の静寂を破って轟音を響かせながら今、オスプレイが普天間基地に着陸します』

23日には初の夜間飛行を開始。30日には、午後10時以降の飛行は「必要最小限」と定めたルールをまるで無視するかのように悠々と、2機が午後10時過ぎまで飛行を続けました。

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次第にその種類を増やしていく訓練。アメリカ軍が公表した環境レビューでは、オオスプレイは一部を除き、CH-46と同じような激しい訓練を行うと記されています。

これは、ヘリが離着陸できない場所に、兵士を投入したり回収したりする訓練。またこちらはCH-46がほかの10機以上のヘリを従えて、宜野湾市の上空を飛ぶようすです。輸送機のはずのオスプレイですが、実戦を想定した訓練ではこのように、戦闘機と編隊を組んで飛ぶことが想定されているのです。

こうした激しい訓練がさらに加速していくことは、オスプレイの訓練回数や時間にも表れています。当初は1日あたり2,3機がそれぞれ2時間程度の訓練を行っていましたが、先月下旬からは4機から5機が合わせて10時間以上の飛行を行うようになっているのです。

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大久保さんはこのように、訓練が段階的に実施されていることにもアメリカ軍のある狙いが隠されているのではと指摘します。

大久保さん「県民を慣れさせる。運用を日常の光景に溶け込ませようとしていること。そういう心理的な狙いも一面では持っているのではないかなという気がします」

来年夏にはさらに12機が配備され、24機全てが激しい訓練を行うことになるオスプレイ。それは確実に、沖縄の日常を脅かしつつあるのです。

環境レビューには、ご覧いただいた訓練以外にも、オスプレイが実弾射撃訓練や木や建物などの障害物の間に着陸する訓練を行うと書かれています。

しかし、こうした訓練は実はCH-46でもずっと行われてきたことで、今回オスプレイの配備が問題になっていることで、初めてその危険な実態が明らかになったという一面もあります。

訓練は今後もより激しくなると見られ、県内の反発が強まることは必至です。

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