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戦争や戦後の貧しさから義務教育を終えられなかったお年よりたちが学ぶ珊瑚舎スコーレ夜間中学について、これまで何度もお伝えしてきましたが、今大変厳しい経営難に直面しています。

那覇市にある珊瑚舎スコーレ夜間中学。ここでは現在51人のお年寄りたちが学んでいます。戦争や戦後の貧しさから義務教育を終えることが出来なかった人々です。

本土では戦後間もなく公立の夜間中学が設立され、学ぶ機会が保障されてきましたが、沖縄では5年前、ようやく民間の手によって立ち上げられました。

崎濱久子さん(夜間中学1年)「心の傷はたくさんあります。学校を出ていない為、人がしない仕事をやって、月給も安く使われて。71歳になるまで何一つ太陽にあたった気持ちは1回もないです。珊瑚舎の学校があってはじめて、自分の心の中に太陽が入ったみたいで明るくなった。一日も休まずに来たいのが本当の気持ちですけれども」

ようやく手にした学びのチャンス。しかし今、珊瑚舎スコーレ夜間中学は厳しい経営難に直面しています。

珊瑚舎スコーレ・星野人史校長「この間、学費のことで皆さんにご迷惑おかけして申し訳ないんですけれども、値上げせざるを得ない」

珊瑚舎スコーレでは、かつて貧困が理由で学校へ通えなかった人々に対し、再び金銭面がネックになってはならないと年間の学費を1万5000円に押さえてきました。

これまで寄付金や助成金を元に運営してきましたが、この2年間、行政からの補助はなく、苦しい経営を強いられています。そこへ追い討ちをかけたのが不況の波です。

星野校長「この半年、夏以降、寄付の申し込みというのががたんと減っている。それから何がしかの大口の寄付というのはあったわけですけれども、その寄付が見込めない」

こうした状況の中、この4月から月々の授業料を1500円から3000円に引き上げざるを得なくなったのです。年金生活に頼るお年寄りにとっては大きな負担です。

崎濱さん「月4万円のお金で家賃出したり、いろいろしていますので、切り詰めているんです。夜も電気は、テレビの明かりで暮らしているような状況にしないと月4万円では暮らせないんです。状況を見て厳しければ、本当に今のままであれば辞めるしかない」

学校をなくしてはならない、学費が負担になって通えない人を増やしたくない。そんな想いで崎濱さんはいてもたってもいられず、一人沖縄県の福祉課を訪ね、現状を話したといいます。

戦争によって奪われた学びの機会を提供するのは、本来行政の責務です。しかし、民間に任せきりなのが現状です。

《寄付のお願い》
 ゆうちょ銀行振替口座:01710-6-39139 名義:夜間中学