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「歯周病」については以前もこのコーナーで触れたことがありますが、放っておくと全身の病気に関わることも指摘されています。その危険性をもう一度、確認してみます。

「(Q:歯磨きは何回?3回です。子どもが生まれてから(虫歯で)ぼろぼろになったので、1回治してからは割りと気をつけるようになりました」「食べた後は歯磨きしないと気が落ち着かないというか」「朝と昼と夜寝る前。歯周病とかがありますんで」

「歯周病」痛い虫歯と違って、初めは痛みがなく、ゆっくりと症状が進むこの病気。放っておくと深刻な結果を招くことがあります。

このグラフは県民の歯肉の状況です。20代で10人のうち6人が、70代になると10人中9人が歯肉炎や歯周炎を患っています。

実は歯周病は、世界で一番、罹患率が高い病気と言われています。

なかざと歯科医院・仲里雅則歯科医師「歯周病というのは口の中にある慢性の感染症。ばい菌による感染」

人間の口の中にはさまざまなのばい菌がいて、その数は驚くほどです。

「結構多いんじゃないですか?」

仲里歯科医師「だいたいこの歯垢1ミリグラムの中には、研究者によっても違いますけど、10億から20億のばい菌がいると言われています。その中にいるばい菌『歯周病菌』がどんどん増えてきて悪さをする」

歯周病は、歯垢や歯石に潜んでいる歯周病菌が毒素を出して歯肉が炎症を起こす病気です。炎症が進行すると歯を支えている骨が溶け、歯がぐらぐらし抜けてしまいます。

仲里歯科医師「人間の歯と言うのは骨に支えられて、その上に歯茎があります。中の骨がこの白い部分。本来なら骨と言うのはまっすぐこういう風にあるのですが、歯周病(炎症がひどくなると)になると骨が溶け、歯を支えている骨を破壊するんです」

重症になると歯肉が腫れ出血し、最後には歯が抜ける歯周病。

実は歯周病が怖いのは、歯周病菌が血管に入り込んで全身に回ってしまい、全身に影響が出てしまう事です。

仲里歯科医師「歯周病が原因で全身的にかかわる病気というのは、おおまかに4つあります。心臓、肺炎、糖尿病、早産・低体重児出産。歯周病菌が血流によって全身に回り、心臓や他の臓器に感染をおこす。特に心臓病では、心筋梗塞で固まった血管の中に歯周病菌が見つかることもまれにあります」

歯周病があると糖尿病の人は血糖値のコントロールが難しくなります。また妊婦が重症の歯周病の場合には、早産とか低体重児出産につながる事もあります。

仲里歯科医師「血流にばい菌が入り込んで胎盤とか羊水にばい菌が行きまして、胎児の成長が遅れたり、子宮の収縮が促されて早産で生まれたりというリスクが非常に高くなっています」

また、肺炎や血栓を作り脳の血管を詰まらせる事もあると言われ、体のあちこちで悪影響が出てきます。

歯周病の自覚症状は口の中がネバネバする。歯をみがくと出血するなど。

歯周病の予防は感染源を取り除くこと。つまり、ばい菌が蓄積された歯垢「バイオフィルム」を取ることが、歯周病の予防につながります。

仲里歯科医師「ご家庭で流しの四隅とか排水溝。濡れていると時々触ってぬるぬるする。あれがバイオフィルムです。掃除するときに水を流すだけでは取れません。どうしても擦らないといけない、だから歯ブラシを使用していただく」

ただ、歯ブラシでは限界があり、歯科医師会などでは定期的に歯科医院で歯と歯ぐきの溝に溜まった歯垢や歯石を取り除いてほしいと呼びかけています。

「歯周病」最初は痛みがないといいます。では、どんな症状があるかご覧下さい。

例えば口の中がネバネバしていて口臭もある、歯ブラシの時に歯茎から血がでるなどがあります。思い当たる方はどうぞ歯医者さんにご相談下さい。

「歯周病」を防いで、さまざまな疾患のリスクを下げることができるとすれば、毎日の歯磨きに加え、定期的な歯のチェックもしたいものです。