※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

美ら島の提案です。イベントなどで大量に出るゴミ。そのゴミを減らす取り組みをしている大学の学園祭を取材しました。

先月末から3日間に渡って行われた沖縄大学の学園祭。ステージでは催し物が行われ、教室では学生が作った迷路で子どもたちははしゃぎ、模擬店ではお好み焼きなどが売られています。一見、よく見かける学園祭の風景と変わりませんが、実はこの学園祭、ゴミを減らす取り組みが行われている、名付けて「エコ学園祭」なのです。

これまで大量のゴミを出していた学園祭、それを改善しようと2001年から始まった「エコ学園祭」です。その中心となっているのが学生たちです。2年生の底原竜太(そこはらりゅうた)さんは、サークル・エコキャンパスの代表として、自らもゴミ減量に少しでも関わりたいと活動しています。

底原さん「ごみを出さないていうのを心がけてほしいっていうのと、物を大切にしてほしいという気持ちですね。」

沖大の「エコ学園祭」の特徴はDRP(ディーアールピー)。Dish Return Projectの頭文字を取ったもので、再利用できる容器を使用することでゴミを減らそうという取り組みです。まずサークル側が、繰り返し使える皿やお椀など食器類をそろえ、食べ物を販売する模擬店の団体に貸し出し、使用済みの食器類は、サークルが運営している洗い場で洗います。食器についた食べかすを落とし、移動食器洗浄車で水洗い。そして備え付けの食器洗い機でおよそ1分間洗います。

協力者「はい、ばっちりこっちで落とすので、消毒もしてあるのですごくきれいになっています。」「Q.めんどくさくないですか?」「めんどくさいです。めんどくさいけど、地球のためを思うならこのぐらいやたらないといけないのかみたいな。」

食器洗いに使われる洗剤は廃油から作った洗剤。食器洗い機の水も循環して使用されるため、新しく水を使うのは、水洗いをするときだけ。水の使用量も大きく減りました。

そして、洗い終わった食器は再び団体に貸し出されます。これにより、紙皿などの使い捨て容器の使用が減りゴミの削減につながりました。お金を安く抑えたい模擬店の出店団体にとっても大変ありがたい取り組みです。

模擬店参加の男性「経費としてお皿を買うお金とかも省けます」「紙皿とかを捨てる手間が省けるところが、こっちとしても助かるところがだいぶ大きいですね。」

いくらよい取り組みだといっても参加団体から協力がないと成立しないエコ学園祭。初めは、苦労の連続でした。

底原さん「学園祭のために何ヶ月も前から準備していたんで、会議も行われていたんです。そのときも、呼びかけても来てくれなというか、そういうのがあったのでことし入ってきたばっかりの子も多いので、それを伝えるのが大変。」

そして学園祭は終了。ゴミ集積所には、各団体が出したゴミが次々と運ばれてきました。持ち込まれたゴミは、底原さんらエコキャンパスクラブのメンバーが、燃えるゴミや缶、ペットボトルなど8種類に分別します。

男性Q.分別は面倒くさくない?「一人だったら多分結構、中にいろんなものをつめたりする思いますけど、みんなとやったらそんなに別に面倒くさくないですね。」

底原さん「全部が全部、誰でもというわけでも、たぶん行かないと思うので。まぁ、すごくいいと思いますよ。」

ダンボールや缶などの資源ごみは、引き取り業者に持ち込み換金。そして、燃えるゴミなどは南風原のゴミ処分場まで自分たちで運びます。

男子学生「すごくびっくりしましたねぇ最初は、自分たちもそういう意識を持てるようになるんじゃないかなと思ってだからすごく、素敵だなぁと思いましてね。」

この取り組みが本格的に始まった2004年以降ゴミは大幅に減りました。2001年のスタート当時は2トンもあったゴミの量がことしは530キロとおよそ4分の1まで減らすことができました。

底原さん「少なくともこういう活動を通して、エコな活動を大学生がやっているってのはちょっとした、こういう活動をしているんだぁという、そういう刺激には少なくともなっているとは思っています。」

ゴミを減らしていく意義をどうつなげていくか。底原さんたちの活動は続きます。

大学生自らが行動してゴミ問題に取り組み、処理まで業者に頼まないで自分たちですることは珍しく、とても真剣さが伝わってきました。こうした動きは、他の県内の大学にも広まっておりことし沖縄国際大学や名桜大学などでもエコ学園祭を行うことになっており協力することになっているそうです。