著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

経済に関するニュースをお伝えするビジネスキャッチーです。毎月、最終週はりゅうぎん総研による解説をお送りしています。きょうは研究員の安仁屋宗哲さんの解説です。

安仁屋宗哲さん「よろしくお願いします」

テーマは「ジャングリア沖縄の経済効果と北部観光の可能性」です。去年7月に開業してまもなく1年となりますが、改めて沖縄観光にどんな影響をもたらしていますか?

安仁屋宗哲さん「はい。まず沖縄全体の観光をみますと、2025年度の入域観光客数は1,093万人に上り、過去最高を記録しました。観光収入も1兆円を超えることが見込まれています」

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー

ジャングリアがある北部地域はどうでしょうか?

安仁屋宗哲さん「これまで北部地域の観光は宿泊を伴わず通過してしまうだけの『素通り観光』が課題とされていました。その構造に変化があったのか?沖縄セルラー電話と共同で調査を実施しました」

安仁屋宗哲さん「こちらのデータは、ジャングリア開業前後の沖縄への来訪者数を比較したものです。県全体の変化率は前年比でプラス4.9%だったのに対し北部地域は6.5%の増加となりました。突出して増加幅が大きいのは、ジャングリアが位置する『今帰仁村』で61.1%の増加となっています」

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー

ジャングリアの開業が大きく影響したのが分かりますね。訪れる人はジャングリアの訪問前後、どこで過ごしているのでしょうか?

安仁屋宗哲さん「訪問前は本部半島から中部にかけての西海岸沿いのホテル周辺に滞在者が多くみられ、訪問後は夕食をとるために飲食店の多い名護市街地へ多くの人が移動していることが分かりました」

ジャングリアにも近い美ら海水族館はどうでしょうか?

安仁屋宗哲さん「意外なことに同じ日に『美ら海水族館』と『ジャングリア』の両方を訪問している観光客はほとんどいませんでした。どちらもある程度、時間を要する施設であることから訪問日を分けているとみられます」

北部での滞在が延びる可能性があるわけですね。

安仁屋宗哲さん「そうですね。ジャングリアは北部地域にある複数の観光施設とのセットチケットを販売していてジャングリアを起点とした北部地域でのさらなる観光周遊の促進が期待されます」

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー

開業後の経済効果はどうですか?

安仁屋宗哲さん「開業から約半年間(2025年7月25日~2026年1月31日)の来場者数は65万人でした。それをもとに算出した観光消費額(直接支出額)は198億円です」

どのくらいの波及効果だったのでしょうか?

安仁屋宗哲さん「はい。開業後、半年間の経済効果は約322億(2800万)円と推計されました。直接支出額に対し、1.63倍の経済波及効果をもたらしています」「産業別にみると『宿泊業』が68億9800万円と最も大きく次いで『対個人サービス業』『小売業』『飲食サービス』と続いています」

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー

幅広い産業に恩恵が広がっていますね。

安仁屋宗哲さん「しかし、ご存じのように開業当初は「暑さや待ち時間の長さへの不満」などマイナスイメージが先行したことも否めません。

そういった来場者の声を受けてジャングリアの取り組みも進んでいるのですよね?

安仁屋宗哲さん「はい。まず暑さ対策をみますと給水スポットや冷房完備の休憩スポットの複数設置のほか、大型屋根付き休憩スペースの設置も予定されています」

待ち時間は改善されたのでしょうか?

安仁屋宗哲さん「はい。混雑対策としてオペレーションの改善により待ち時間が短縮されたほか、午後チケットの導入などにより来場者の分散を図っています。これらの取り組みを受け来場者の評価も上昇してきました。今後は地域とのさらなる連携や新規顧客の囲い込み、県民ファンの獲得などが期待されます」

ジャングリアができたことで今後、沖縄観光にはどんな影響がありそうでしょうか?

安仁屋宗哲さん「ジャングリア開業は北部における観光振興の転換点と言えます。単なる『新しいテーマパークによる集客効果』で終わらせず県全体の経済循環・高付加価値化へつなげることが大切です」

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー

そのための提言がこちらですね。

1環境保全のためのルール策定と周知 2周遊インフラの構築 3北部の魅力・情報発信 4沖縄全体をテーマパークに見立てたリピーター獲得

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー

安仁屋宗哲さん「はい。まず1つ目ですが、自然を守るための入域制限やマナー周知など環境保全の対策が不可欠です。続いてレンタカーがなくても北部を快適に巡ることができるシャトルバスなどのインフラ構築が重要です。

「3つ目はSNSを利用するなどして、県外だけでなく県民にも身近な小旅行先としての魅力を伝えていく必要があります」

「4つ目は沖縄全体をひとつの『テーマパーク』と見立てたリピーターの獲得です。沖縄はテーマパークのようにエリアごとに特徴があります。例えば南部の平和学習エリアや中部のリゾートエリアなどです」

ジャングリアをきっかけに北部地域の認知度が上がれば、北部の豊かな自然と、マングローブツアーやトレッキングなど、様々な自然体験型のアクティビティがあることが新たな発見となります」

北部地域の観光振興につながるということですね。

安仁屋宗哲さん「はい。ジャングリアを単なる一企業の施設ではなく北部にできた新たな観光資源と位置づけ、北部地域全体が連携しあうことが重要です。環境を守りながら持続的に発展していくことが沖縄観光全体のさらなる底上げにつながると思います」

きょうはりゅうぎん総研・安仁屋さんの解説でした。ありがとうございました。

安仁屋宗哲さん「ありがとうございました」

ビジネスキャッチーでした。

ジャングリアの経済効果は?/ビジネスキャッチー