ここからはリュウキュウの貴重な動植物を紹介するリュウキュウの自然です!案内は動物写真家の湊和雄さんです!
湊和雄さん「よろしくお願いします!」
先週から始まった水曜日にお送りしている特別編『慶良間三島めぐり』の2回目です。
湊和雄さん「はい、今回は島で巡り合ったチョウたちをご紹介します。しかし、取材に訪れた7月中旬は、沖縄本島と同じで昨年辺りからチョウが少ない時期だったんです」
どんな出会いがあったんでしょうか?さっそくVTRをどうぞ!
湊和雄さん「やはりケラマブルーと称される慶良間諸島は、どこへ行っても美しいビーチが広がっています。こちらは阿嘉島からの眺めです」
緑と海のコントラストがキレイですね。
湊和雄さん「最初に出会ったチョウはルリタテハ。沖縄本島でもお馴染みの種類ですが、傷一つない状態でした。翅を閉じると枯れ葉や幹(樹皮)に似ていて目立ちませんが、翅を開くと結構鮮やかな色彩です」
表で全く違いますね。
湊和雄さん「次はとても小さなクロマダラソテツシジミ。これはソテツの芽の部分なんですが、そこに何匹も飛んできてはとまり、何かをしていました。芽の表面に小さな白い粒が見えますが、これが何をしているかのヒントです」
何でしょう?もしかして白い粒は卵ですか?
湊和雄さん「正解!アップで見てみましょう。腹部の先端を曲げていますね。これは産卵をしているところです。卵から孵った幼虫はソテツの葉を餌にします」
こうやって卵を産み付けているんですね。
湊和雄さん「そして、今回最も多く遭遇したチョウは日本最大のオオゴマダラです。これは食草のホウライカガミの花で蜜を吸っているところです」
シンプルに美しいですね。
湊和雄さん「これもよく似た花に見えますが、シラタマカズラという植物です」
ホウライカガミ以外の花にも集まるんですね。
湊和雄さん「そうなんです。しかもこのシラタマカズラの花にはたくさんのオオゴマダラが蜜を求めてやって来ていました。時には2匹、3匹と同時に見られることもありました」
大人気ですね、よっぽど美味しい蜜なんでしょうね。
湊和雄さん「おそらくそうだと思います。時々、似ている模様ですが小ぶりなチョウの混ざっている光景も見られました。やはりマダラチョウの仲間、リュウキュウアサギマダラです」
本当だ!一回り小さくて青みががっていますね。この花はマダラチョウの仲間にとってごちそうなんでしょうね。
お、こちらは何だか仲が良さそうですね?
湊和雄さん「そうなんです。この2匹のオオゴマダラは雄と雌です。追い掛けているのが雄で、雌に求愛しているところです。雄も雌もいつもよりゆっくり飛んでいますね」
優雅なチョウの舞いですね。
湊和雄さん「生憎チョウの少ない状態でしたが、その中でオオゴマダラがたくさん見られたのは意外というか幸運でした。5年ほど前に依頼された仕事でやはりこの3つの島を訪れたとき、とてもオオゴマダラが多いのに、感激したことを思い出しました。小さな島々なのに、日本最大のオオゴマダラの多いことはちょっと意外でした」
小さな島々に生きるたくさんのオオゴマダラや他のチョウたちも、それぞれに存在感があって見ごたえがありました。
湊和雄さん「そうですよね。オオゴマダラが多くみられるのは食草であるホウライカガミが多く自生していることも理由の一つかと思います」
なるほど。さて湊さん、次回の慶良間3島めぐり、テーマは何でしょうか?
湊和雄さん「はい。前回はセミ、今回はチョウと昆虫たちを見てきましたので、次回3回目は慶良間ならではの、あの動物をご紹介したいと思います」
あの動物?楽しみですね。次回もぜひご覧ください。ここまで『リュウキュウの自然』でした。
