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首里城の今をお伝えする『復興のキセキ』です。去年11月の起工式で再建に向けたのろしを上げてから10ヵ月が経ちました。3年後の完成を目指して正殿の柱や梁を組み立てる作業が進められています。

今回は中村アナウンサーが大がかりな工事を間近で見学しただけでなく宮大工が担う木材加工に挑戦してきました。

守礼門前 中村アナウンサー「再建が進む首里城にやって来ましたきょうは復元途中の正殿を間近に見ることができるイベントが開かれているということでその様子をたっぷりお伝えします」

復興のキセキではありし日の姿を取り戻すべく日々変化する首里城の様々な様子を毎月お伝えしています。今月4日にいよいよ正殿の建て方工事が始まった首里城の再建。『見せる復興』がテーマとあって多くの作業が公開されていて、来場者がボランティアで再建を手伝うなど多くの人が首里城に思いを寄せながら工事が進んでいます。

ボランティアには寺崎アナウンサーも参加しました。2月には正殿の柱などを彩る美しい朱色の輝きを生み出す漆塗りの原料となる「ニービの粉作り」を体験。そして今月はようやく見え始めた正殿の骨格を誰よりも近いところから見ることが許されました。

今回のイベントでしか見られない貴重な姿の正殿を工事を管理する国営沖縄記念公園事務所末村ゆかりさんに案内してもらいます!

首里城2026 復興のキセキ『宮大工体験イベント』

中村アナウンサー「結構多くの方来てますよね」末村ゆかりさん「たくさんの方が来ていて県内外の方海外からもたくさんのお客さんが最近来ている」末村ゆかりさん「それだけみんな見ておきたいということですよね」末村ゆかりさん「そうですね」

9日と10日に公開された現場には2日間で2700人が訪れるなど大盛況!関心の高さが伺えます。

「イベントの参加人数 9/9・10の合計 現場公開 2702人 宮大工体験 228人」

首里城2026 復興のキセキ『宮大工体験イベント』

「いよいよここからが素屋根の中になる訳ですよね」末村ゆかりさん「きょうは工事エリア近くで見てもらえるのでどうぞ」「いつもはこちらのガラス張りのところから見てもらうがきょうは特別にこちらを開けて」「中に入れるのが今回の特別なイベントです」「こちらからは工事エリアになります」「普段は入れないところですもんね」「木の香りがいっぱいに詰まってますね」「加工中の木材の香りって嗅ぐことがないので」「実際に香りも体験してもらいながら」「柱が何本くらいですか?」「今10本ほど立っていますね」「正殿の真ん中の部分から柱を立て始めたところ」

私たちがいるのは御庭(うなー)から正殿を正面に見るとその左側。国の会議で検討され頑丈で耐震といった安全性にも優れた『礎石』という土台の上に正殿の中央から柱が立ち始めていて最終的には513本もの木材を使って骨組みが造られます。この時は2階部分まで立ち上がっていましたが、年内には3階建て・15メートルほどの高さになる予定です。

首里城2026 復興のキセキ『宮大工体験イベント』

「首里城が火事になって燃えてまっさらになってということを思い出すとなんだかジーンとしますね」末村ゆかりさん「やっとここまできているというところですね」

多くの人が悲しみに暮れたあの焼失から4年。同じ場所に真新しい柱が立ち始めている様子は感慨深いものでした。

続いては2階部分へ。「おー」末村ゆかりさん「1階とは違った景色で見てもらえるかと」「違いますね」

ここでは国王の玉座として様々な儀式が行われていた2階・御差床(うさすか)の真上に使われる天井額木(てんじょうがくぎ)という梁を見ることができます。施されている彫刻は木に覆われていて見えませんが、ほぼ同じ高さから眺められるんです!

首里城2026 復興のキセキ『宮大工体験イベント』

「建った後ってこの木って色もどんどん変わっていくし色塗られたりとかもしますよね」末村ゆかりさん「そうです」「そうすると木そのままの形は本当に今だけですか」末村ゆかりさん「今しか見られない形ですね」「これはしっかり目に焼き付けておかないとと思いますよね」末村ゆかりさん「今しか見られないので」

「2階の平仮名&木材の文字」木材の表面には「は」や「ぬ」という平仮名が書かれています。実はこれ、どの木材をどこに配置するのかを示す『柱や梁の住所』なんです!倉庫に置かれた大量の木材にも書かれていて正確に作業するための工事の裏側を感じることができます。

「素屋根見学デッキ」末村ゆかりさん「普段からここは公開している。きょうは特別公開イベントなのでみなさんに柱を削ったくずを持ち帰ってもらっていて喜んでくれている」「これもこの時期だけのもの」「普段は削りくずに触ってもらう展示はしている」「触ることはできる訳ですね普段から」「サクサクしてます」「香りも楽しんでもらえたら」「高級風呂に入った気分です」「いい香り」「いい香りですよね」

首里城2026 復興のキセキ『宮大工体験イベント』

「木材倉庫」木の香りに包まれながら続いてはこの日初めて公開された木材倉庫へ。参加者が宮大工さんに教わりながら鉋を使って木の表面を削る加工にチャレンジしていました。

参加した人(那覇市から)「つくるのって難しいなと思った」

せっかくなので私も体験させてもらいました。槍鉋(やりがんな)という昔の道具を使って木を削っていきます。槍鉋は木目にさざ波のような模様をつけるなど、人の手による味わいを表現できるといいます。

体験「なるほど結構これ力いりますね」

「宮大工さんの解説」木材の加工現場では宮大工さんによる解説も行われ、参加者は普段は入ることができない場所での貴重な話に聞き入っていました。

首里城正殿復元整備工事 棟梁 近藤克昭さん「こういうところで実際に見ることはなかなかないと思うので良い経験になっているんじゃないかと思う」「注目されているので恥ずかしくない仕事をしていきたい」

国営沖縄記念公園事務所末村ゆかりさん「私自身も毎日工事現場を見ているが柱が増えていって変わりゆく姿にドキドキしていて私も一緒にみなさんと工事の進捗を楽しみながら見守っていきたいと考えている」

見学や体験を通して工事がより身近に感じられた首里城の再建。これからもその過程を多くの人に感じてもらいながらありし日の首里城を復元する確かな歩みが続きます。

首里城2026 復興のキセキ『宮大工体験イベント』