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15年前に沖縄市で2人の米兵が起こしたタクシー強盗事件の補償をめぐって遺族が国に遅延金の支払いを求めた控訴審で福岡高裁那覇支部は、9月14日に遺族の主張を退ける判決を言い渡しました。

米兵強盗事件の遺族・宇良宗之さん「ここまで長かったので、もう少しきょう(こちらの話を)ご理解いただけたらなと思う。司法の判断以外ゆだねる手がありませんので」

2008年1月、沖縄市で当時59歳だったタクシー運転手の男性が乗客の米兵2人に襲われ、料金を踏み倒される事件が起きました。運転手の男性はPTSDに苦しみながら事件から4年後に亡くなりました。

被害を救済する補償が果たされるよう遺族が国を相手に裁判を起こしていて、法律で認められた遅延金を含む損害賠償の支払いを拒むことは違法だと訴えています。

一方、国は遅延金は「補償の対象外」という姿勢を示していて補償の前提となる合意がないため賠償金を支給していないことは違法ではないと反論しています。

一審の那覇地裁はどの程度支給するか国に裁量が委ねられていると指摘したうえで「法律上の責任を負わない」として遺族の訴えを退けていました。

9月14日の判決で、福岡高裁那覇支部の三浦隆志裁判長は補償制度は国の努力義務にとどまると指摘したうえで「遺族が遅延金を上乗せした金額に固執し、支給に必要な手続きを拒否したにすぎない」として一審判決を支持して遺族の控訴を退けました。

米兵強盗事件の遺族・宇良宗之さん「今後同じような事件が(このようなことが)あった場合、また同じようなことになるのかということに対して、かなり悔しい部分がある。何が納得いかないと言いますと、やはり(補償をもらうまでに)だいぶ長期間時間がかかるんですよ、そこに対しては、それでもしょうがない、認められないんだということを言えるんですかということです」

遺族は15年以上も補償を受け取れていません。判決を不服として、最高裁に判断を仰ぐ考えです。