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辺野古新基地建設で、国が軟弱地盤を補強する工事を進めるため県に提出していた設計変更の内容について、きょうから3週間の公開が始まりました。公開した内容への意見もふまえながら玉城知事が最終的な判断を下すことになります。

設計変更を見に来た人「米軍側と日本政府が合意しようと、沖縄の危険が消えたわけではないので、そこをしっかり見ていきたいと思う」

辺野古新基地建設「設計変更」公開始まる

分厚いバインダーに収められた2000ページにも及ぶ膨大な文書。辺野古新基地建設で国が県に提出していた設計変更の中身を見ることができる「告示・縦覧」が始まりました。

申請書は県庁や名護市役所など県内8カ所で公開され、期限は9月28日までとなっています。期間中、県内外の人が意見を述べることもできます。

辺野古新基地建設「設計変更」公開始まる

設計変更を見に来た人「我々として辺野古新基地の建設、沖縄の環境を守るためには絶対に許さない。改めてきょう告示・縦覧された書類を読み込んで、我々の意見を取りまとめて知事宛てに文書として提出したいと思っている」

辺野古の新基地建設では、工事が始まった後になってマヨネーズ状とも言われる「軟弱な地盤」が大浦湾に広がっていたことがわかりました。

国は66haの軟弱地盤を固めるために7万本以上の砂杭を打ち込む計画で、この工事を進めるため、5カ月前に設計変更を県に申請していました。

新潟大学地質学・立石雅昭名誉教授「(水深)70mまで地盤改良するということで、それよりもさらに深いところにある同じく軟弱地盤の性質を持つ地層についての改良を放棄しているわけです。放棄をしたままでも大丈夫だという、検討が一切されないままやるという、申請の内容は不十分だと、このまま走るということは私は許されない」

国の計画はずさんだと批判をするのは、地質学を専門とする新潟大学の立石雅昭名誉教授です。

調査チームは国が示しているデータをもとに、マヨネーズ状とも言われる「軟弱地盤」の上に設置される護岸の安定性を分析し、護岸は震度2の地震に耐えきれず崩落する危険があるという結論を得ました。

様々な難題が横たわる辺野古の新基地建設、計画の見直しにより工期は2倍の12年、工費は3倍の9300億円に膨れあがっています。

新潟大学地質学・立石雅昭名誉教授「この貴重な生態系を税金をかけて壊してしまうという結果が、やっぱりものすごく危惧される。県民が何回にもわたって辺野古の埋め立てに反対だという意思を表明してきた。沖縄県民の思いだとか要求にきっちり寄り添うということが政府に求められていることだと思います」

玉城知事の判断は年末から年明け以降になる見込みです。

辺野古新基地建設「設計変更」公開始まる