玉城県政が勝利した県議選からわずか5日です。新型コロナの影響で2カ月近く中断していた辺野古の埋め立て工事がきょう、再び始まりました。

川野健治カメラマン「護岸には埋め立て埋め立て土砂を運ぶトラックがずらっと並んでいます」

2カ月近く中断していた辺野古の新基地建設、

川野健治カメラマン「埋め立てに使われる土砂がトラックに積み込まれていきます」

国は57日ぶりに工事を再開させました。

新型コロナで中断の辺野古の工事 約2カ月ぶり再開

キャンプシュワブのゲート前、抗議行動は週明け15日から始まる予定でしたが工事再開を聞きつけ朝から多くの人が集まり新基地建設の反対を訴えました。

抗議行動の参加者「やっぱりおかしいよね、(工事が)始まったこと自体ね」抗議行動の参加者「腹が立つでしょう、この工事はやめなきゃいけない工事、できないところにお金を無駄使いするのはやめた方がいいですよ」抗議行動の参加者「沖縄の民意は無視するんだなということを改めて確認した」

工事関係者が新型コロナに感染したことがわかったことから中断していた辺野古の工事、「感染予防の対策が整った」ことから再開させたと国は説明しています。

河野防衛大臣「普天間飛行場の危険性除去というのはこれはもう沖縄の県民のみなさまと目指している方向は同じだと思っております」Q:県議選から5日で再開 争点隠しの指摘もあるが?河野防衛大臣「あたらないと思います」

国は工事再開のタイミングについて県議選との関連を否定しました。

新型コロナで中断の辺野古の工事 約2カ月ぶり再開

玉城知事「真っ先に申し上げたいことは工事の再開は遺憾であるというように私は受け止めています。辺野古新基地建設に反対する民意はこれまで、ゆるぎない形で民意は繰り返し示されてきていると思います」

国は大浦湾に広がる軟弱地盤を補強するため設計変更を県に申請していますが、玉城知事はこれを認めない構えで、国が工事を再開させたことで県との溝は一層深まった格好です。



解説 辺野古の工事再開「難題山積」工事の現実

工事の中断から再開までのこの2カ月の間にも様々な動きがありました。まず、これまでの経緯を振り返りたいと思います。

石橋記者「辺野古の工事が中断したのが4月17日、工事の関係者が新型コロナに感染したことが原因でした。しかし、そのわずか4日後に、国は軟弱地盤を補強する工事を進めるため設計変更を県に申請しました」

コロナの対応で目まぐるしく世の中が動いている最中に申請が出されたこともあってなぜこの時期に?と疑問の声も出ましたね。

石橋記者「そして、先日行われた玉城知事の中間評価ともいわれる「県議選」で県政与党が過半数を維持しました。これは改めて新基地建設に反対する民意が示された格好です。その直後の工事再開ということで、県と国の対立が深くなることは避けられそうにありません」

国が再開させた辺野古の埋め立て工事改めてどういったものなのでしょうか?

石橋記者「大浦湾に広がるおよそ66ヘクタールの軟弱地盤に国は7万1000本の砂杭などを打ち込んで地盤を固め補強するというものです」

新型コロナで中断の辺野古の工事 約2カ月ぶり再開

ただ、軟弱地盤の補強は簡単にはできないんですよね?

石橋記者「この工事には問題が山ほどあるんです。まず1つ目は『軟弱地盤が水深90mにまで及んでいる』ということです。国内にある大型の作業船では水深70mまでしか工事ができないんです。しかし、国は、残りの20mの部分は水の圧力がかかって固くなっているので地盤を固める工事は必要ないという立場です」

その国が言っている「かたさ」を専門家に再現してもらいましたが、大人の力で簡単に崩れてしまう程度でしかありませんでした。

そのため、水深90mに及ぶ軟弱地盤の工事に疑問が残るなか工事を進めてしまえば、地盤沈下を起こす可能性やその上に置かれる大型の護岸が崩落したりする危険性がわかっています。こうした疑問に対して見て見ぬふりをしながら埋め立ての強行を続ける国の姿勢を批判する専門家も出てきています。

果たして国の計画通りに新基地建設は進むのでしょうか?

石橋記者「そこにも大きな疑問が残っています。辺野古をめぐっては、軟弱地盤の存在が判明したことで地盤を固める工事を含めた埋め立てに9年半、基地を完成させてアメリカ側に引き渡すまでにはさらに3年ほどかかるため普天間基地の返還は2030年代以降にずれ込む見通しです。また、総工費は当初3500億円で現在は9300億円と1兆円近くに膨れ上がっているんです」

新型コロナで中断の辺野古の工事 約2カ月ぶり再開

普天間基地の1日も早い危険性の除去と言われ続けてすでに24年が過ぎています。こうした状況では、工事の先行きも不透明と言わざるを得ないですよね。

石橋記者「現在の工事の進み具合では土砂の投入が終わるまでに100年近くかかてしまうという厳しい指摘もあり、工期がズルズルと延び、費用もさらに膨れ上がっていく可能性がないとはいえません」

次はどういった動きがあるのでしょうか?

石橋記者「県と国の裁判をはじめ、国の設計変更に県がどう対応するのか?また、辺野古の海に生息するサンゴの移植で対立が続くこの問題について国地方係争処理員会がどういった判断を示すのか?など辺野古をめぐる問題は多岐にわたっていて、そのすべてを注視していく必要があります」