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宜野湾市民PFOS血中濃度 全国の4倍

4月県内の水源地が異なる2つの市の住民を対象に発がん性が指摘されている有機フッ素化合物PFOSの血中濃度が調査されました。その結果、宜野湾市民の血中濃度が全国平均の4倍にも上っていることがわかりました。

調査は4月13日と14日京都大学と京都保健会、沖縄医療生協が実施したものです。北谷浄水場を水源とする宜野湾市と西原浄水場を水源とする南城市などの住民114人から血液を採取し、PFOSの血中濃度をを調べました。

その結果、宜野湾市民の血中濃度は13.9ナノグラムパーミリリットル。さらに水道水を飲んでいるという人に限定すると16.7ナノグラムパーミリリットルでいずれも南城市の約2倍。全国平均と比べると約4倍から5倍にもなっていることがわかりました。

調査した京都大学の小泉名誉教授は「宜野湾市はPFOS、PFOA、これが高いことがわかりました」と話しました。

調査に協力した、宜野湾市の安仁屋眞昭さん。安仁屋さんの数値もとても高いことがわかりました。安仁屋さんは「全国平均が3.3、3.5ナノグラムなのが、私のデータは14.4ナノグラムになっていますよね」「全体の平均からすると、異常に高いんですよ。だから今、体にどういう影響があるかはわかりませんけれども」「普通じゃないということは確かですので。何か怖くなっております。本当はこういうデータは知りたくなかったです」と話しました。

さらに今回の調査では、ある有害物質の危険性も指摘されています。PFHxS。これはPFOSの代用品として使われてきたものです。宜野湾市民の血中濃度は16.3ナノグラムパーミリリットル。全国平均の約53倍にも上っていました。

小泉名誉教授は「これもPFOS、PFOAに劣らず、かなり影響がある物質で、発がん性とか、胎児毒性、高脂血症、とくにコレステロールを上げる作用が疑われています」と話し安仁屋さんは「私たちは年寄りだから、まだ良いけど、今から後に続く子どもたちや孫たちが、その水をずっと使っているとなると、やはりそれは、心配しないといけませんので」と話しました。

今回の調査を受けて京都大学の小泉名誉教授は、「宜野湾市の水道水の源泉は汚染されている」と指摘。市民の安全安心のため、過去にさかのぼって、健康調査をする必要があると話しています。