沖縄防衛局などによりますと、きのう午後8時すぎ、渡名喜村のヘリポートに、普天間基地所属のAH-1攻撃ヘリが不時着しました。

乗員2人にけがはなく、島の住人や家屋などへの被害はありません。沖縄防衛局によりますと、今回の不時着は「テールローターのギアボックスセンサーの異常」が原因だったということです。

不時着したヘリポートは急患搬送など緊急時のためのもので、島の住人からは不安の声が聞かれました。

女性「急患だと、急患がまた出たねって思ったんですよ。落ち着いて生活ができないような」

男性「大変ですよ。やがて危ないんじゃないかな。やがて落ちるんじゃない。夜は怖いですよ。10時11時まで(訓練)やっているから」

解説 政府の飛行停止要求は県要求の1割弱

不時着した機体は、異常のあったセンサーを交換し、不時着からおよそ15時間後に離陸しました。

翁長知事「ニコルソン四軍調整官も『クレイジーだ』と言ったそうだが。米軍全体がクレイジーだという感じですね」

東京に向かう前にこう語った翁長知事。今回の不時着は、翁長知事や基地を抱える自治体が、基地負担の軽減を政府に訴える要請行動の前日に発生。

事故から1日も経たない基地負担の実例を政府に突きつける切実な要請となりましたが、外務省はナンバー3の政務官が対応。いわば、要請を「聞き置く」対応となりました。

解説 政府の飛行停止要求は県要求の1割弱

菅長官定例「普天間飛行場所属のAH1Zは、読谷村においても、今月はじめに予防着陸しております。この普天間飛行場所属の全機について、緊急総点検を実施するとともに、その間、同型機の飛行を停止するよう、防衛省から米側に申し入れをしたところです」

一方で菅官房長官は、不時着を繰り返しているAH1Zヘリの飛行停止を申し入れたことを明らかにしました。一部の機種とはいえ、アメリカ軍機の運用停止を政府が申し入れるのは異例です。来月の名護市長選挙を前に、毅然とした姿勢をアピールする狙いがあるものとみられます。

菅長官「(Q.全機を飛行停止要請する考えはないか?)同型機の飛行停止をするよう防衛省から米側に強く申し入れを行ったところです」

様々な機種で事故が相次ぐなか、県は「在沖アメリカ軍全ての機種の総点検とその間の飛行停止」を求めていますが、菅長官はこれには言及せず。県との温度差は依然として残っています。

解説 政府の飛行停止要求は県要求の1割弱

翁長知事「日米安保体制というのは極東アジアの安全ということだが、沖縄県民の安全はどうしてくれるんだと。それは無視して、そういう大きな目標を掲げても、私たち県民からすると、これはいくらなんでも勘弁してくださいよと」

ここからは久田記者とお伝えします。政府が異例の飛行停止要請ということですが、一部の機種の停止ができたとしても安心できないですよね。

久田記者「はい、しかしその同型機の飛行停止すら、実現していません。海兵隊は、「渡名喜島の皆さんのご理解に感謝します」などとコメントしただけで、今日も同型機の飛行を続けています。繰り返されている大事故寸前のトラブルを深刻に受け止めている気配はありません」

仮に今後同型機の飛行停止が実現したとしても、県の要求とはかなり差があるんですよね。

解説 政府の飛行停止要求は県要求の1割弱

久田記者「はい、菅長官が会見で「普天間基地所属の全機」と言っていたのは、AH1Zの同型機12機を指しています。これに対して県の要求は、「在沖アメリカ軍の全機」ですから、最新のデータでは、160機以上にのぼります。政府が飛行停止に言及したことは、一見毅然とした対応に見えますが、実際には県側の要求の1割にも届かない、ごく一部の飛行停止要求でしかありません。アメリカ軍がこうした批判を無視して飛行を続けている現状を見ますと、政府には全機の飛行停止要求も含めてさらに毅然と対応する姿勢が求められるのではないでしょうか」