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小野寺防衛大臣「いずれにしても私どもは、普天間の危険性除去を1日も早く進めるために、今後とも関係の手続き、そして工事についてしっかりと対応していきたいと思っています」

集団的自衛権の問題に全国の注目が集まる中、基地建設の動きは静かに進められていました。

島袋記者「キャンプシュワブの沿岸に来ています。きょうは沖縄防衛局の調査船と見られる船が出ています。こちらから見ただけで6隻が確認されています」

検証動かぬ基地 vol.134 “制限水域”をめぐる攻防

きのう政府は辺野古への基地建設に向け、陸上部分の工事に着手。そしてきょう、キャンプンプシュワブ沿岸部への立ち入りを禁止する制限水域を設けることを告示しました。

これまでシュワブの陸から50メートルの範囲だった立ち入り禁止水域が、最大でおよそ2キロにまで大幅に拡大されたのです。水域の拡大には、基地建設への抗議活動を阻止する狙いがあると、沖縄平和市民連絡会の真喜志好一さんは指摘します。

真喜志好一さん「我々がこの海域に入ることを妨げようとしているわけです。しかしこの海域は、サンゴのウォッチングの船だとかジュゴンの食み跡を見るダイバーたちが出てる場所ですしね。工事のために囲うことは許されない」

制限水域は、もともとアメリカ軍の演習などのために設定されてきたもので、基地建設に反対する人々からは、「移設工事を目的にした拡大には、法的な根拠がない」と反発の声が上がっていました。

検証動かぬ基地 vol.134 “制限水域”をめぐる攻防

真喜志好一さん「今回は防衛省が工事をする範囲まで拡大しているという解釈違いをしているわけです。米軍が排他的に仮に使うとしましょう。米軍が占有する水域ですよとなったら、ここを水陸両用車がぐるぐる走っていることになるわけで、工事などできるはずはないということです」

背景には10年前、基地建設のためのボーリング調査が、市民らの抗議活動によって阻止された経緯があります。この苦い経験を繰り返すわけにはいかない。制限水域の拡大には、何としてでも基地建設を進めるという政府の強硬な姿勢が表れているのです。

大浦湾へと続く川のほとり。梅雨空にも関わらずこの日、10人以上の若者らがカヌー教室に参加していました。教室は、辺野古への基地建設に反対する市民グループが運営しています。

検証動かぬ基地 vol.134 “制限水域”をめぐる攻防

インストラクター生徒へ呼びかけ「技術はあとから習得すれば良いことで、初めての方はカヌーを楽しんでもらいたいです。」

インストラクター「日曜は学生さんがよく参加してくれてます。意識がある人がここのカヌーには来てると思いますね。意識と言うのは、やはり辺野古の基地問題をしっかり認識してて来てると思います」

女子学生「カヌー乗ってやっていかないと止められないと思って。10年前もこのカヌー使ってたんだよって話さっき聞いて今もあるんだなと。今年もまた私たちが今度はバトンを受けて取り組んできたいと思いました。もうちょっとカヌーは頑張りたいと思います(笑)」

この海は埋め立てさせない。こうした動きは、徐々に大きなうねりになりつつあります。先月28日、辺野古の海で開催された市民集会。20隻以上の船やカヌーが、浜に集ったおよそ200人と共に抗議の狼煙を上げました。

カヌーに乗った参加者・50代女性「やっぱり少しずつ慣れようかと思って先のこと考えて。乗って初めて一度も乗ったことないんですよ。怖いですよー。どうやったらいいのって感じ」

カヌーに乗った参加者・男子学生「昔は抑止力の為なら埋め立てててもいいんじゃないかと思った時期もあったんですけど、現場を見てこうやってきれいな海が広がって、ここを埋め立てるんだという話を実感として感じることができました」

検証動かぬ基地 vol.134 “制限水域”をめぐる攻防

一方、会場には安全指導のためなどとして海上保安庁や警察の職員も姿を見せました。政府は今後、反対する市民らが制限水域に侵入した場合、刑特法を適用し厳しく取り締まる方針を示しています。

ヘリ基地反対協・安次富浩共同代表「不当なこういう制限水域の拡大というのは、結果的には私たちの抗議行動を弾圧し、拘束するということを宣言しているわけです。こういう事で、私たちの命輝く宝の海を死の海にさせないという思いは変わりませんので、埋め立てを絶対させないという意気込みで我々のできる限りの知恵をしぼって抵抗運動は続けていきたいと思います」

絶対に基地はつくらせないという人々。強まる政府の圧力の中で、その思いは今も広がり続けています。

14-07-02-q05