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きょうは宮古島が沸いた200.195キロの超過酷レース全日本トライアスロン宮古島大会です。以前は日本ランキングにも名を連ねたある選手が6年ぶりこの大会への出場を決意、当時とは違う心境でこの鉄人レースに挑みました。

スイム3キロ・バイク155キロ・ラン42.195キロ・合計200.195キロに挑む超過酷レース全日本トライアスロン宮古島大会。完走者に与えられるのはストロングマンの称号。この称号をめざし36歳の金城敬大(けいた)さん、6年ぶりの参加です。

金城敬大さん「おーし、いくぞー」18歳にして石垣島トライアスロンで優勝し日本ランキング10位まで上り詰めた敬大さん。6年前その生活は一変しました。

自宅「おうただいま、おかえりー」子ども達と遊ぶ敬大さん。今では3人の子どもを持つお父さんです。

妻・真由美さん「素敵なパパですよ、若いときは自分の(競技の)ことばかりだったけど」

結婚・妻の出産を機に電気会社の営業マンに転身家族のため、今では夜遅くまで仕事に追われる日々です。そんな敬大さんが6年ぶりに宮古への出場を決意したのは選手時代とは違うこんな思いからでした。

金城敬大さん「父ちゃんやっているんだぞ、がんばっているんだぞってところを見せたいものですから」

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父親のがんばる姿を子ども達の目に残したい「やればできる」あきらめない姿勢を感じてほしいと休みの日を練習に充ててきました。しかし子どもたちは・・・

長女・志帆ちゃん「いつも土日いないよ、土曜はいるけど、日曜日はいない(うなづく)遊びたいけどいない」「公園で遊びたい、公園で遊びたい・・・」

果たして父の思いは伝わるのか・・・ 金城さんの6年ぶりの挑戦が始まりました。

大会は過去最多の1470人の選手が出場。スイム(3キロ)が得意な敬大さんは38位(県勢としては3位:午前7時45分39秒(タイム45分39秒))でフィニッシュ! バイクも順調にとばしていきます。池間大橋、まゆみさん、子どもたちの応援「けいたー、けいたー」

金城敬大さん「風が強くなってくるんで1人ずつ抜かしますね、がんばって、楽しみます、がんばるぞー」

お父さん、まだまだ元気です!そのころ子ども達は・・・!?ホテル前で応援!でも、車で寝入る里帆ちゃん。早起きそして10時間を越える長丁場、少し中休みのようです、笑。

12時45分のバイクフィニッシュをめざしていた敬大さんですが予定より8分程早くフィニッシュ(126位:12時37分04秒(タイム5時間37分04秒))選手時代の実績を感じさせるレースが続きます。

しかし妻・真由美さんは冷静なアドバイス!敬大さんと真由美さん一緒に走る「ちょっと早いですね、もうちょっと落としていいかもね」

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夫の体の状態を理解していました。真由美さん「20キロあたりからが勝負じゃないですかね」折り返し「会いたかったぜー(ポールに抱きつく)」ゼッケン渡す「ちょっと走りたい人、いまだったら無料(ボランティアの生徒笑う)」

ボランティアに明るく話しかける敬大さんですがエイドステーションに立ち寄る理由は他にもありました。

「自分のもっている補給食が足りなくなって折り返し手前からどうしようかと」「正直へこんでました」「めっきがはがれたなって、弱いところみせてしまったなって」

ランの前半1キロ7分半だったペースが20キロ〜30キロのラップは1キロ9分半にペースがかなり落ちてきました。この日の最高気温は28度高い湿度と照りつける日差しは選手達の体力を奪っていきます。

32キロ付近「もうね、筋肉がぜんぶ分解しそう」「電話したほうがいいですね、帰らんで〜って」

敬大さんには、他の選手とは違う制限時間がありました。

ゴールで待つ真由美さん「飛行機は8時半なので7時半までだったら顔見て帰れる、それより前だったらお話もできるんですけど」

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翌日学校がある子ども達はこの日の最終便で帰らなければならないのです。お父さんは子ども達のもとに帰って来られるでしょうか・・・

必死で走る敬大さん「歩きたい自分を押さえ込んで、遅いけど止まらないぞって」家族の応援がなかったら「でないとここに何してきたっていうのがあるんで」

会場で待つ真由美さんたち、敬大さん発見!!!敬大さん会場に入る!大起さんとまゆみさん走る、大起さん抱き上げてゴール!(413位18時09分55秒(タイム11時間09分55秒))

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ゴール後金城敬大さん「初完走したときの・・・きつかったあ・・・涙」

まゆみさん「楽しかった、楽しかったよね」志帆ちゃん「かっこいい」メダル里帆ちゃんへ「りほあげようか?りほ見せてこらん、ほらかっこいい」まゆみさん「まさかこんなにタイミングよく帰ってきてくれるとは思わなかったので、正直自分もハイテンションですね」

金城敬大さん「たぶんね、今回(家族が)来てなかったから完走してなかった」「感動ですよ、これだからトライアスロンってやめられないんすよ」

今年も様々な思いを旨に200.195キロに挑んだ選手達完走した1231人(完走率83.7%)のストロングマン達の表情は過酷なレースを乗り越えた自信と充実感に満ち合われていました。

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