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Qリポートです。きょうは伊是名島で撮影され、あすから桜坂劇場などで上映がはじまる沖縄の映画の話題です。

過疎化が進む島の住民たちと、島を見守ってきたキジムン(精霊)の織りなすドラマ。これまで「ナビィの恋」や「ホテル・ハイビスカス」を世に送り出した中江裕司監督の最新作です。

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さんかく山が印象的な伊是名島で40日をかけて撮影が行われたこの映画。森に住む精霊・マジルーと、都会で恋に破れ、ふるさとに帰ってきたゆり子の交流がメインテーマで、アテネの森を舞台に妖精と人間が騒動を繰り広げるウィリアム・シェイクスピアの「真夏の夜の夢」を中江裕司監督が独自にアレンジしました。

中江裕司監督「この世界には、目に見えないものそれは精霊とかだけではなくて人の思いや気持ちも目に見えない。そういうあらゆるものと共にいる感覚」「自分達だけで勝手に生きているのではないということを思い出すきっかけになれば」

その中江監督が、3000人に及ぶオーディションの中から森の精霊・マジルー役に選んだのが、現在高校一年生の蔵下穂波さんでした。「ホテル・ハイビスカス」で、強烈なインパクトを残した当時、小学3年生の穂波さん。この映画をきっかけで女優を目指すようになり、現在は、琉舞の稽古にも励んでいます。

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蔵下穂波さん「オーディションではマジルーの役がイメージがつかなかったが最終オーディションの時に耳鳴りがしてマジルーが下りてきた。」

ゆり子の子供時代を演じるのは中村れいなちゃんです。

中村れいなちゃん「手紙と写真を出したときは、お父さんとお母さんが前歯がないからと言い、受からないかなと思ってたけど、受かったから良かったです。」

島の人達に「大切なものを忘れないで」と語りかけるマジルー。

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映画は、満月が照らす幻想的な雰囲気の中、中城城跡でも先行上映され、映画の主題歌を歌う藤澤ノリマサさんが歌声を披露しました。

観客「なんだか不思議な空間ですね」「女の人が雪を食べていて、私も食べたいと思った」「キジムナーとか好きなんで本当にいるのかなって」

中江監督がこの映画を通して伝えたいこと。それはー

中江監督「今、沖縄も本土化と言われていると思うが,あらゆるものとともに生きている沖縄の感覚は世界に誇れるものだと思うし、本土化で忘れつつあるけど、失ってないと思う」「失っていないんだったら忘れかけているものを思い出せばいいと思って」

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主役を務めた蔵下穂波さんは今回の映画でさらに夢を膨らませています。

蔵下穂波さん「監督の言ってることが分かるようになって自分の意思と監督の意思でスタッフのみなさんと一緒に映画を作り出せて自分も成長した」「今後は世界で活躍できる女優になりたい」「何でも女優になりたい。欲張りなんですけど・・」

沖縄が沖縄らしく輝き続けるためには何を守り抜くべきなのかー この映画は私達に問いかけています。