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大成功だった今年のウチナーンチュ大会は海外や県外から過去最多の4737人が参加して絆を深めました。今後はウチナーンチュのネットワークを次の世代にどうつなげていくかが課題ですが、大会では具体的な企画が生まれたようです。謝花記者のリポートです。

ウチナーンチュのネットワークをどう継承し発展させていくか。このテーマに直結する具体的なプログラムを立ち上げようと、あるイベントが開催されました。

「プロジェクト・エスペランサ」 8カ国から37組が企画を寄せ、予選を通った5組が決勝に臨みました。

謝花記者「審査員とともにプレゼンテーションを評価するのは各国から集まった100人以上の県人会長と新ウチナー民間大使。ここに立っていると発表者の緊張が伝わってきます」

ペルーからエントリーした比嘉さんとギマックさん。ともに3世で19歳の二人は、ペルーで行う4日間のホームステイプログラムで、海外の県系人が沖縄について改めて学び、アイデンティティーを高める企画です。

クリスティアン・ギマックさん(3世)「ペルーでは、移民から受け継いだ習慣などがだんだんなくなり、沖縄のアイデンティティーが若い世代の中で薄れてきています。私たちは先人の文化を失いたくありません」

エリック・比嘉さん(3世)「私たちのプロジェクトは解決を探るための第一歩に過ぎません」

ペルー県人会では同世代のリーダー的存在の二人。やや緊張する二人に審査員の質問が飛びます。

高良倉吉審査員「(プロジェクトで)鍛えられた若い人材は今後どういう風に活躍してほしいですか」

クリスティアン・ギマックさん「各地の県人会で年配の幹部と一緒に積極的に活動してもらいたい。それが世界のウチナーネットワークの強化につながると思います」

また、同じくペルーから参加の古波津・比嘉さん兄妹は、インターネット上に県系人を結ぶブログをつくる企画です。

エクトル・古波津・比嘉さん(3世)「世界中の沖縄県系人を結び付けたい。そのためには家系図をきちんと調べ上げることが必要だと思いました。それをインターネットを通して検索できるようにしようと考えました。今までいろいろな人と話して、関心を持っている人が多いということがわかりました」

熱い気持ちのこもった5組のプレゼンテーションが終了。

サンパウロ(ブラジル)県人会代表「よくもこれだけのね、考えを持っているんだなと、感心しました」

テキサス州(米国)県人会代表「すごい感激です。若いジェネレーション、若い世代の人たちが今からどういう風にやっていくかということを、沖縄人としてのアイデンティティーを基礎として築き上げたいというのは本当にすばらしいです」

高良倉吉審査員「JYOTOブログを提案したペルーのエクトル・古波津・比嘉さんとガブリエラ・古波津・比嘉さんのお二人です」

審査員長・稲嶺知事「全部極端に言えば100点なんです。最後の最後まで、もう時間切れで、もう視点を絞って無理やり決めちゃったようなところがありますね」

クリスティアン・ギマックさん「(グランプリでなくても)とてもハッピーです。5組全てが勝者だと思う。こうして競うと同時に持ち寄ったアイデアをもとに議論することができたから」

エリック・比嘉さん「クリスティアンと、勝ち負けに関係なくやると決めていたからやりますよ!」

グランプリを獲得した古波津・比嘉さん兄妹には上限100万円の助成金が贈られました。

エクトル・古波津・比嘉さん「すぐに取りかかります。(Q:あなたにとってウチナーンチュ魂とは?)私にとって?それは『チムグクル』。沖縄のルーツを持っていることをとても誇りに思います。沖縄の人はとても心が温かくすばらしいことを改めて認識しました」

ガブリエラ・古波津・比嘉さん「私はペルーに住んでいますが、私の心もいつも沖縄につながっています」

彼らのまなざしからは、熱い志が伝わってきて、世界に広がるウチナーンチュの『チムグクル』は次の世代にしっかり受け継がれていくと感じました。