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琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」のコーナーです。案内は動物写真家の湊和雄さんです。
湊 和雄さん宜しくお願いします。
今回のテーマは「今シーズンのヤンバルクイナ」です。遂にヤンバルクイナ!
湊 和雄さん前回の放送からちょうど1ヵ月。今年の前半は、生き物たちが例年より遅い話ばかりをしてきました。前々回はノグチゲラ、そして前回がその他の鳥たち。しかし、未だヤンバルクイナの今年の子育ての話をしていませんでした。
一体どんな様子なんでしょうか、VTRご覧ください。

湊 和雄さんまず、昨年の映像からご覧ください。この場所では、この2年間、ヤンバルクイナの繁殖、子育ての数々のシーンを撮影してきました。5、6月のことです。親鳥は、地上や地中の小動物を探しては、雛に運び与えます。こちらは、反対に餌を見つけた親鳥に雛のほうから走って来て、餌を奪い取りました。
湊 和雄さん(これは親鳥ですが)雛もかなり成長していてサイズ的には、親鳥とあまり変わりありません。しかし、口移しで餌を貰ったり、見つけた途端に餌を横取りするシーンを見ていると、どちらが親でどちらが雛かは一目瞭然です。
確かにヒナは大人げない・・・
湊 和雄さんさらに、親は餌を与えるだけではなく、周囲に敵がいないか注意をするのも役目です。このように昨年、一昨年は多くの子育てシーンを見ることができました。
湊 和雄さんしかし、このヤンバルクイナも、今年は遅い生き物の例外ではありませんでした。何時になっても子育てシーンが見られないのです。地元の詳しい方々からも「今年は遅い。雛を見ていない」と同じような情報が聞かれました。

湊 和雄さんしかし、今年の6月13日には、これまでに撮影していなかった貴重なシーンが見られました。交尾です。これで、やっと子育てスタートと思ったのですが、3週間と言われている抱卵期間を過ぎても、一向に雛の姿は見られません。さらに、この2週間後にも、この場所でまた交尾が観察されたそうです。
湊 和雄さん結局今シーズンは繁殖に至らなかったようです。ですが、すべてのヤンバルクイナが失敗したわけではありません。別の撮影ポイントでは、交尾の観察されたのと同じ頃、かなり成長した雛というか若鳥が水辺で確認出来ました。もう近くに親鳥の姿は見られず、単独で水浴びをしていました。

湊 和雄さんさらに別の日には同じ場所で,2羽の若鳥が観察出来ました。恐らく兄弟でしょう。
仲良しというよりも、何だか互いに相手を警戒している雰囲気?
湊 和雄さんそして、やがて追いかけっこを始めました。もう幼い雛というよりも逞しい若鳥といった印象です。この場所では、今シーズンも順調に繁殖が行われたようです。

沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)で開催中の「珍しい世界のタネ展」に湊さんの写真パネル、動画も展示されています。夏休みにピッタリですね!この「ふわ・ぷか・もぐ・キラ 世界の珍しいタネ展」は今月31日まで県立美術館・博物館で開催しています、入場無料です!
湊さん今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした。