著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

沖縄返還交渉の際に当時の佐藤栄作総理の密使としてアメリカ側と沖縄への核・持ち込みの密約に関わった若泉敬さんの遺書が県に寄贈されました。

寄贈されたのは、福井県越前市出身で国際政治学者の若泉敬さんが沖縄県民あてに書いた遺書です。

若泉さんは1994年に自身の著書で有事の際に核の持ち込みを認める「密約」があったと交渉の内実を明らかにし、沖縄県民への自責の念から遺書を残していて、2年後に自ら命を絶っています。

遺書はこれまで、福井県在住の男性が保管していましたが、当時の大田知事や沖縄県民にあてたものだったため「沖縄にあるべきものだ」と県公文書館に寄贈を申し出たということです。

寄贈式では、福井県越前市から核持ち込みの密約交渉を詫びた嘆願状をはじめ、当時の大田知事が若泉さんに核密約の真相を訪ねるため面会を申し入れた書簡など、24点が県公文書館に寄贈されました。

若泉さんの「遺書」ともいえる嘆願状は「沖縄県の皆様」との書き出しで、密約交渉の結果責任を心から詫びたいという若泉さんの強い自責の念がしたためられています。

県公文書館公文書管理課・仲本和彦主幹は「核の持ち込みとか非核三原則とか、そういったことを考えるきっかけになるのではないかと資料的な価値、歴史を振りかえって、その当時を検証しようとする人たちにとっても価値ある資料」と話しました。

戦後80年の節目に届いた若泉さんの遺書は県公文書館で2025年12月9日から28日まで一般公開されます。