「令和の首里城正殿公開6年ぶりに全貌を現す」
2022年11月に始まった令和の正殿復元工事。工事の舞台となったのは雨風や埃などから正殿を守るために建てられた「素屋根」です。

多くの支援をうけて再建されることから「見せる復興」をテーマに、素屋根には見学スペースが設けられ、来園者が見つめる中、作業が進められていきました。ただこれまでは足場や作業床が設置されていたため、見えていたのは部分的な正殿のみ、全体像は見えていませんでした。
再建進む首里城正殿、雨風から守っていた素屋根の撤去開始 2025年7月1日
しかし、正殿の外装工事が完了し素屋根が不要に。そのため先月末、素屋根の解体がスタートしました。正殿を覆っていたものが取り外され、途中段階ではありますが6年ぶりに全貌が公開されることになったんです!

火災から5年9カ月。およそ2070日の月日を経て、艶やかに輝く首里城正殿がそこにはありました。正殿の正面を飾る唐玻豊、屋根を彩る赤瓦には龍頭棟飾や鬼瓦が設置されています。火災で焼失した全壊の正殿と変わった部分も!
正殿には3色の赤が用いられていますが、注目してほしいのは「久志間切弁柄」と呼ばれる色味。実は、王国時代の古文書などに記されていたものの、平成の復元時には何が原料でどう調達していたのか特定することはできませんでした。

しかし研究が進み、令和の復元では再現することができたんです。色を比べてみると分かりますか?(落ち着いたトーンに!)平成の頃よりも落ち着いたシックな印象を受けます。

素屋根は10月末までに解体予定です。再び正殿が県民の前に姿を現す日が近づいています。
復元施設だからこそ細部にまでこだわっていて、職人たちがひとつひとつ丁寧に仕上げてきたことが分かりますね!
建物を形作る木工事、色の再現、彫刻物、彩色…これまで部分的に取材してきましたが、こうして目に見える一つの形になっていることに胸が熱くなりました。工事はこれから内装工事や正殿のサイドの廊下などの作業が最終局面を迎え、来年秋に完成予定です。