県代表の沖縄尚学ナインの甲子園で戦いがこれから始まりますが、この夏、惜しくも甲子園の夢が叶わなかった球児たちの話題です。高校生3年生たちの最後の夏の続きがありました。
今年リニューアルされた嘉手納野球場でおとといから始まった「ジャパンサマーリーグ」。

沖縄では毎年冬に、プロ野球球団へのアピールやスキルアップの場として主に社会人選手らを対象とした「ジャパンウィンターリーグ」が開催されていますが、今回始まったサマーリーグは甲子園出場が叶わなかった選手たちや、試合の出場機会に恵まれなかった選手ら高校3年生を対象に、この夏もう一度野球の真剣勝負をする場を提供しようというものです。
初開催にもかかわらず、県内だけでなく全国から37人の選手が集まり、北は北海道からの参加者も。中にはプロ注目選手もいます。そして、男子選手に交じって、女子選手の姿もあります。

大里成海選手「男子相手で差はあると思うんですけど、レベルが高い選手がいっぱいいると思うので、学べるところもあるかなと思って」
このサマーリーグでは1週間、毎日試合を行うだけでなく野球のスキルアップや今後のキャリアに繋がる講義も行われ、 次のステップを考える機会も提供されます。

県外から来た選手らに、沖縄や宮古島の言葉を教えていたのは川満理貴(りき)。このサマーリーグには川満を始め、宮古高校から4人の選手が参加しています。
宮古は去年秋、今年春と結果を出してきましたが、夏の沖縄大会では初戦負けを喫し「島から甲子園」の夢は叶いませんでした。

宮古高校前キャプテン 与那覇寛大 「2年半やってきたことに後悔はないんですけど、試合に対しての後悔がすごくあったのでここでもう一度チャレンジできて、全国の高校球児と対戦できたり交流も深めることができるので、思い切って応募しました」
なかでも川満は甲子園への思いが強かったがゆえに、沖縄大会で敗れた後は何も考えられなかったと話します。
宮古高校 川満理貴「まさかあんな結果になると思わなくてずっと頭が真っ白で、1週間くらい野球もやろうかどうかも迷っていたんですけど」
心にぽっかりと穴が開いた中で、飛び込んできたのがジャパンサマーリーグ開催の話。参加費を始め、交通費や宿泊費などすべて自己負担となりますが心強い家族の後押しがありました。

宮古高校 川満理貴「父が『お金の面では心配するな』と言ってくれて、その分『サトウキビ畑の手伝いをしろ』って言われて、サトウキビ畑の手伝いを頑張ります」
川満は初日からヒットを放つなど、上々のスタート。最後の夏の続きを力強く踏み出しました
宮古高校 川満理貴「悔いなく 7日間終わった後にああしておけばよかったというのが無いように、みんなとコミュニケーションも取りながら、自分の持ち味も出しながら改めて『楽しかった』と終われる夏にしたいです」
この夏、甲子園には届かったとしてもまだまだ「高校球児」である選手たちが、ここ沖縄で全力プレーを誓っています。
