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楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです、よろしくお願いします。

長田勇さん「よろしくお願いします!今回は前回に引き続き、5月に石垣島で撮影したサンゴの産卵の様子をご覧頂きたいと思います」

前回も神秘的な映像でしたよね!さっそくVTRをご覧ください!

長田勇さん「こちらは、5月14日の夕陽です」

キレイですね!今年は梅雨入り遅かったですもんね!

楽園の海 石垣島「サンゴの産卵」後編

長田勇さん「そうですね!産卵を狙って潜るのは、伊原間の沖合3kmにあるサンゴ礁テーブルや枝状のサンゴが群生しています。午後10時20分、水中ライトだけが照らす幻想的な景色の中、精子と卵子の入ったカプセル「バンドル」が、水中を漂い始めました。直径40cmほどのテーブルサンゴが産卵し始めました。程なくして20cmほどの枝サンゴも産卵開始。手前に見えている枝からバンドルが出ているの分かります?」

本当だ!見えました!

長田勇さん「周りにある小さめのサンゴが次から次へと産卵開始。ブダイの寝床の前でも、神秘的な世界が繰り広げられています。こちらはオレンジ色のバンドルですね。ちなみに、ブダイにとってはご馳走にはならなかったようで、一度も起きることはありませんでした」

楽園の海 石垣島「サンゴの産卵」後編

夜ももう遅いですからね!

長田勇さん「そうですね!そしてかなり枝の太いサンゴからもバンドルの放出が始まりました、濃いめのピンク色で量も多く、迫力を感じました。午後10時40分頃になると、辺り一面にある枝状のサンゴ全部が産卵したんじゃないかと思うくらいの光景です。小さなテーブルサンゴも産卵したので、バンドルの数は無限大に感じられます。ミドリ色の枝サンゴも綺麗!今年初の一斉産卵に立ち会うことができました」

圧巻ですね!

楽園の海 石垣島「サンゴの産卵」後編

長田勇さん「一斉産卵が行われた日の水面は、もう大変な事になるんです。目の前が霞むほど。バンドルが弾けて、今まさに受精が行われている状態。水面にいるのはイエローサブマリンの峰さん。みんなでライト当てて真っ赤な海を演出しています。とても生臭いんですが、お構いなし」

ダイバー全員がボートに帰ってきたところで「ばんざーーい! ばんざーーい!! ばんざーーい!!!」

楽園の海 石垣島「サンゴの産卵」後編

長田勇さん「最高の夜となりました」「実は、これで終わりではないんです。翌日15日、前日のポイントから300m離れたところで潜ったんですが、今度は、直径1mクラスの大きなテーブルサンゴが沢山産卵してくれました。テーブルサンゴの隙間に住んでいるカニ。必死でハサミを伸ばしています。キャッチして食べたいんでしょうね?。でも残念ながら私が見ているうちはゲット出来ませんでした」

このあとゲットしていて欲しいですね!

楽園の海 石垣島「サンゴの産卵」後編

長田勇さん「そうですよね、ピークは午後10時35分過ぎ。他の大きなテーブルサンゴの産卵も始まり、2日続けての一斉産卵立会いとなりました。アップで見るとこんな感じ。周りにあったテーブルサンゴも沢山産卵しています。前日は太くて大きな枝サンゴ中心、この日は大きなテーブルサンゴ中心の産卵シーンを堪能しています」

「ピンク色やオレンジ色のバンドルが無数に浮遊しています!色はサンゴの種類によって若干違うんですよ。そして10時45分。みんなで集合して記念撮影しようと決めていた、水深12mにあるテーブルサンゴが産卵を開始しました!私も真上から参加。普通は、なかなかこうして示し合わせて集まる事なんて出来ないんですが、一斉産卵だからこそ!出来ちゃったんですね」

楽園の海 石垣島「サンゴの産卵」後編

記念になりますね。

長田勇さん「皆さん、いい顔しています。実は写っている皆さん、石垣島在住のインストラクターの方々なんです。サンゴの産卵に詳しいショップとして有名なイエローサブマリンその代表の峰さんが後輩インストラクターを呼んでお勉強会をしているんです。夜の宴は、およそ10分間続きました。とても楽しいひと時でした」

和気あいあい楽しそうなのが伝わってきますね!

長田勇さん「このテーブルサンゴも大きい。本当に大量に放出されているのがよく分かります。この日は流れもほとんどなかったので、バンドルは横に流れることなく真上に昇って行きます。私もゆっくりと水面へ向けて浮上開始。中層を泳いでいると、本当に宇宙空間を彷徨っているような感覚に陥ります。この後、バンドルは水面で弾けて他のサンゴの精子や卵子と受精します。

また新たなサンゴの誕生につながるんですね!本当に見ているだけでワクワクしました!

長田勇さん「私も2日続けて一斉産卵に立ち会えたので感動しながら撮影していました!」

今回も貴重な映像をありがとうございました!以上、楽園の海でした。

取材協力 イエローサブマリンダイブスタジオ ウェブサイト