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特集です。中国の海洋進出を念頭に、国が沖縄を含む日本の南西諸島で自衛隊の体制強化する方針を打ちだした「南西シフト」先島諸島で、最も早く、陸上自衛隊が配備された日本最西端の与那国島。かつては台湾との交易も盛んだった島は、そのつながりを復活させ、自立して生きる未来を描いていました。

QABは与那国で進む自衛隊の強化と一度はついえた自立への取り組みを追い、ドキュメンタリー番組を制作しました。日本最西端の島。与那国島。110キロ離れた台湾にそびえ立つ、3千メートル級の山々を望むこともできます。

与那国島が周辺の島との市町村合併に揺れていたおよそ20年前。住民投票を経て、単独の自治体として生きていくことを決めた与那国の人々は、自らの進むべき道をある計画に記しました。台湾との交流活性化を掲げた、「自立へのビジョン」です。

田里千代基さん「何も、夢物語、身の丈を超えたビジョンじゃなくてね、最低これはできる、先人がやったことをもう一回構築する」

そう語る、町議会議員の田里千代基さん。役場職員時代、台湾との交流促進のため現地に駐在した経験もあり、今も台湾の交流実現を願っています。

田里鳴子さん「一つになれたんだよね、島がね」

元官僚「やれるところまではいってみようと」

コンサルタント「地域が主体の振興に取り組んできた。自立ビジョンを一つの基本方針にして」

「潰された自立~与那国島と自衛隊配備~」

町民が一丸になって歩んだ自立への足跡は、与那国島、そして台湾にも今もたしかに、残っていました。

それと交差するように与那国で進んでいるのが、自衛隊の強化です。2016年、与那国島に配備された自衛隊。アメリカ軍との共同訓練も行われるようになり、ミサイルの配備計画も浮上しています。

加えて、空港や港の整備・拡張計画で、政府は有事での利用を念頭に置いています。

糸数与那国町長「自衛隊の増強とか有事でなんだかんだに考えるんじゃなくて」「50年に一度あるか、100年に一度あるかのチャンスかなと思うんです。インフラ整備っていうことに関して」

糸数与那国町長は民間の利用を訴え、空港や港の整備を県や国に求めています。対する田里さん。新しい港は駐屯地の近くに置かれる計画で、島の要塞化を危惧します。その思いを、議場でぶつけます。

田里千代基さん「アジアと結ぶ国境の島として、ビジョンを掲げながらやってきたのに、要塞の島になるのではないかと、激変し、環境が変わってきている」「町民の信頼がなければ島の振興・発展はない」

町民が目指した自立への思いと、安全保障の国策がせめぎ合う、与那国島の、記録です。

台湾有事の懸念も語られる今、有事の住民避難やシェルターの設置、自衛隊の強化や訓練など、与那国島では危機をあおるような動きが先行して、私たちメディアもそれに追われがちになります。

その与那国島がかつて目指した自立の足跡を追うことで、南西諸島をはじめとした各地で進む自衛隊強化に、住民がどのように向き合えばよいか、考えるきっかけにしていただければと思います。

テレメンタリー2024「潰された自立~与那国島と自衛隊配備~」は今月25日、日曜日の深夜1時30分から放送です。